netflix作品『ROMA』 2022/9/13 By Leave a Comment ネットフリックス制作でありながらアカデミー監督賞を得たという、サブスク隆盛時代を象徴する作品。 なんかイタリアらしくないなぁ、と思って観ていたが、途中でやっと「これは絶対違うな」と。1970年代メキシコシティを舞台にした作品らしい(笑) 全編白黒なのは、監督の思い出世界の表現であるだけでなく、低予算で時代感を出すのに手っ取り早かったのではないか。 暴動のシーンこそなかなかだが、それ以外はさほど大枚はたいていないようで、でも『スラムドッグ・ミリオネア』しかり、低予算ゆえに映画にエネルギーが満ち満ちている気がする(実際の製作費は知りません)。 一番はやはり主人公の女子が、泳げもしないのに波の中に分け入り、子供たちを救う場面の長尺撮りだろう。本当に溺れないか、ギリギリの撮影。もちろん、溺れれば救助する準備は万全だっただろうが、それにしても一旦溺れることも覚悟して挑んでいるのは明白に見える。 ホームパーティー中に起こった火事を水バケツリレーで消化する場面も超リアル。本当に燃え進んでいて、俳優たち大丈夫なのか?と思っているとなんとか消化に向かう。まるでドキュメントだ。 その他にも印象的なシーンはあり、また、家族というものは?というテーマも比較的伝わるのだが、さりとて、こういう詩的さが大好物かというと残念ながらそうでもなく。 フェリーニ監督の(『道』以外の)作品のように、部分部分で目に焼き付けばよく、全体では感動する必要もない映画かな、と思う。78点
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