究極のデブキャラ『スクール・オブ・ロック』 2023/11/20 By Leave a Comment 学園もの音楽劇・・・でいいのかな。非常に楽しくて、後半は涙もボロボロ。最近見た中でベストの作品と言っていい(この後『マッドマックス怒りのデスロード』を観て、これは更新されてしまったが)。 ロック・バカすぎる男が自分の作ったバンドを首になる。代わりのメンバーを募ってコンテストに出たいがうまくいかず、同居する友人に彼女ができて、追い出されそうにもなる。 友人に来たエリート小学校の臨時講師の話を横取りして職に就くも、授業をする気は全くない。しかし、音楽の時間に観た生徒たちの才能に驚き、彼らを騙して誘ってコンテストに出ることに。 その後は、この手の映画にありがちな展開だ。徐々に打ち解けてくる生徒たち。個人の様々な問題を独特の表現で鼓舞して解決したり、何度かの危機を乗り越えながら、大団円を迎える。 それでも感動させられてしまうのは、間違いなく主役のジャック・ブラックの奮闘ぶりからだ。「パワフルなデブ」というのは、一種のベタなのだが、その究極に至っていると言っていいだろう。 そして、音楽が生まれていくその”瞬間”。もちろん、それは即興的に見せながら、何度もの吟味を経て生まれた演出なのだろうが、それにしても、このようにうまく見せてくるのは、もうアメリカ人でしかありえない。 生徒を励ます様もよく、人間味にあふれている。生徒が打ち明けてくる様々な悩みに、直接答えるよりも「お前は最高の声を持っているんだぜ。それは特別なことなんだ」などと返していくが、それは音楽と才能への掛け値なしの愛からの言葉であり、平等主義的なくだらない慰めとはまったく次元を異にするものだ。 前半はブラックのパワーに気おされる楽しさばかりだったが、後半は何度も泣かされた。ありふれた内容であっても、人は人をこれだけ感動させられるものなのだ。92点
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