『大脱走』何かに似ていると思ったが・・・ 2023/5/25 By Leave a Comment 非常に有名な1963年の作品ながら、今回初めて鑑賞。” 年代物のスペクタクル”は、かなり期待薄であったが、予想に反してかなり楽しめた。 スティーブ・マックィーンの代表作として知られるが、実際はそうでもないというか、結構数人が平等に近くピックアップされた群像劇で、彼はその一人にすぎない。他のメンバーは、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン・・・と続くので、なるほど、僕が子供の頃に「男くさい外国俳優」としてCMに出ていた人たちの人選は、この映画から来ていたのだな、と初めて見知った。 確か、マックィーンはジーンズやタバコのCM、ブロンソンはもちろん「ん~、マンダム」、コバーンは「Speak LARK!」だ。 それほどの評価を得た映画だったということだが、まさにそれだけの価値はある。第2次世界大戦時の捕虜の脱獄を描いた実話ものだが、色調は黒澤映画のよう。それぞれの人間を深く掘り下げるでもないのに実在感があり、男臭さや、不屈の精神、そして壮大な夢と挫折などを描いていく。 マックィーンは名演というのとも違うが、バイクの逃走シーンは確かに飛び切りかっこよく、まるで三船の乗馬のようだ。その時代の男どもが熱を上げてしまったのも納得できる。 監督はジョン・スタージェスという、漫画トリコに出てくる「スタージュン」のような名前の人だが、よく見ると『荒野の七人』の監督だった。なるほど、『荒野…』は『七人の侍』のリメイクだから、黒澤の影響はモロ受けなわけだ。道理で、である。89点
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