ローマの休日以外にも、スタッフに見せるべきオードリー映画があるかしらん、と他も見たが、これらはそれほどでもなかった。また、『マイ・フェア・レディー』は、僕はイマイチピンと来ないんだよね。いつか再見してみようと思うけれど。
『麗しのサブリナ』は、まぁちょっと、今は観る価値あんまりないかな。オードリーとボギー、W.ホールデンの三角関係は、なかなかに練り上げられたもので、ばかばかしくない大人向けの恋愛。しかし、ラストを含む” 小粋な”はずの各場面が、観ている側をキャーって思わせるほどでもなくて・・・。
「サブリナパンツ」の所以となった映画でもあり、全編楽しく、オードリーも美しく、観て損するとまでは言いませんが。55点。
『パリの恋人』は、全体としてはサブリナよりも下です。今では結構もっさいミュージカルだし、男優位な描き方は、僕みたいな人間でもちょっと辟易する。でも、途中で出てくる「撮影のシーン」だけは、むちゃくちゃいい。超イイです!!
素材はよいがダサくて固い女の子が、ひょんなことでモデルとなり、徐々にあか抜けていくというよくあるパターン。そのモデル撮影の場面(5つくらい)なのですが、パッとセット組んで、さっと撮影すると、飛んでもなく素晴らしい写真になるという、カメラマンの究極のような瞬間の連発で!
本当はズルです。これは練りこんだ映画撮影の成功カットで、しかも、フィルムを回しておいて、一番いいところで画面を止め、それを「撮った写真」ということにしてしまうのだから、全然ウソ。でも、その「写真」がすごくいいんだなぁ・・・。
それと、実は今現在、そういう撮影法が現実的になってきてもいるんですよね。カメラの動体追従力と、連射能力のアップで、連写やムービーで撮影しておき、そのうちの1枚をピックアップするという。ムービーでも4Kなら約800万画素、8Kなら3200万画素! そうなると、撮影という行為自体が、ムービーからのピックアップになってくる可能性すらあるのです!!
・・・と、脱線がすぎましたが映画に戻って、この映画のオードリー、踊りまくってます。しかもコンテンポラリーダンスみたいなのも含めて。バレエもかなり打ち込んでいたんでしょうね、と思うし、マイフェアレディ―ではだみ声で歌い、ティファニーでは汚れ役にも挑戦と、”妖精”というよりは女優として求道的に生きた彼女のことをよく知ったひと月でした。70点
でも、実は、もうひとつ好きな映画があります。『昼下がりの情事』。なんで「情事」なんて言葉使ったの?という爽やかな内容で、なんといってもラストがいい! 今回観たわけでないので採点しませんけど、このラストをなにかの折にふと思い出しては、いつも総毛だつような感動を覚えています。
僕の中での、オードリー映画のお勧めは、1位「ローマの休日」は当然ながら、2位はこの「昼下がりの情事」と「ティファニーで朝食を」。そしてカメラマンだけには「パリの恋人」ということになりますかね(笑)
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