世界の食料品の3分の1が廃棄されているそうです。
衣料は、なんと生産されたうちの60%もが廃棄されています。
また、アパレル業界は、賃金水準の低い国で過酷な労働条件を強いることも多く、CO2の排出量も石油業界についで多いと言われています。Tシャツ1枚を作るのになんと2700リットルもの水が必要という報告もあるらしい。
CO2などの温室効果ガスは、意外に家庭の排出量も多く、その3分の2が電気だが、パリ協定に沿うためには、家庭でも今後4割近い電力削減が必要になるそうです。努力だけでは難しそうな中、注目されるのがエコハウス。自然エネルギーの活用や、断熱材による蓄熱性などで、電力の節約をサポートしてくれます。
(電気自動車とガソリン車のCO2排出問題は、日本の現状のように、主に化石燃料を燃やして発電している国では、電気自動車の方がかえって多くCO2を出すようですが、火力発電の比率を下げると、やはりCO2削減につながるようです。)
「消費という行動は、必ず社会とつながっている。だから、消費という行動を通して、社会的課題と向き合い、解決への筋道に参加することができる」(エシカル消費)ということだそうですが、さて、だから明日から節約に取り組もう、となるかどうか。これは僕には難しい問題です。
僕が小さい頃は、まだ倹約は美徳でした。ところが、80年代に、アメリカの猛烈なジャパン・バッシングを受ける。曰く、短く働け、いっぱい買え、海外旅行しろ、と。購買は、景気を刺激し、雇用を創出する。そして当然、次々買うには捨てなければなりません。
ところがまた、時代は“もったいない”に戻るのか? まるで、教科書を墨で塗るような気分です。
ウチの奥さんは、田舎出の人だからか、ごはんを多めに作ることに抵抗ないし、娘たちも、出されたものは全部食べた幼時の僕とは違って、あっさりと食べ残します。そこから直さないといけないのでしょうか? そもそも、そうやって私たちが食料を節約することは、誰かの、何かの役に立つのでしょうか?
僕自身も、10年位前に「迷ったときはタクシーに乗る」という自分ルールを作りました。倹約家なので、ついつい歩いて済まそうとするけど、ちょっと距離がある、雨が降っているなど、迷うな~という時には、タクシーにお金を落としてあげようと。でも、それも、CO2削減の観点からはやめるべき行いかもしれません。
アマゾンプライムは少額でも宅配してくれるし、ZARAは返品も取りに来てくれる。それをできるだけ減らすことは、CO2削減や、雇用の減少などを天秤にかけて、やはり社会的プラスになるのでしょうか? 本当のところがわからないのです。
さあ、ここまで見ていただいて、どうでしょう?
理想的で素晴らしいけれど、実際にはかなり難しいのでは?と感じる内容ですよね。2030年が一応SDGsの期限なのですが、実際に現在の進捗状況を見ても、一概に言って悲観的な数字が並んでいます。
では、これらを一気に改善する妙手、ウルトラCはないのでしょうか?
実は、無くもないのです。それは、IoT、AI、ロボット、ビッグデータなど高度に進化したテクノロジーを用いて、今までより格段に速く、社会的課題を解決していってくれるかもしれない、という可能性です。
オランダで進むスマート農業では、24時間体制で肥料や給水を自動制御しているため、農薬もほとんど必要なく栽培でき、やせた土地ながら、世界の農業輸出高がアメリカに次ぐ第2位だそうです。
電力貯蔵システムとコンピューター管理によって、電力は地域で細々とやり取りすればよいものとなり、消費電力を大きく削減できる可能性があります。インターネット環境やドローンのさらなる開発は、医療、教育を遠隔地に届けることにも大いに貢献しそうです。
楽観にすぎる気もしますが、それらのイノベーショナルな発展と、国家や企業などの組織、そして個人が手を取り合えば、SDGsの思い描く社会も実現不可能ではない!というところでしょうか。
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