SDGsを勉強してみた。
『一番わかりやすい! SDGsのざっくり知識』という本を書店で衝動買い。よく売れている本のコーナーで買ったのですが、“ざっくり”言ってまじめすぎ。知識を求めるにはよいが、心に入ってくるような本ではないです。
さてSDGs。2015年に国連で定められた17の目標で、内容を僕なりにまとめれば、「途上国の窮状を救い、生活を改善させましょう。世界経済を現代的に発展させましょう。そのためには環境保全が必須です」というようなものかと。
また、国連の定めた目標に法的拘束力はありませんが、その代わりに、232の指標(ターゲット)を設け、全体や各国ごとに達成度をチェックしていくシステムを取っています。「日本さん、この分野はいいけど、こっちは全然ダメですよ」と。それを日本政府が「〇〇業界さん、もっと頑張ってくれないと・・・」と砕いたり、国民がやり玉に挙げれば、拘束力に近いプレッシャーにもなるというわけですね。
といっても、宙から急に降ってきたものではなく、SDGsにも、前身になるものがありました。2001年に採択されたMDGsです。MDGsはそれなりに成果を上げ、2015年に満期を迎えるために作られたのがSDGsなのですが、では、前身のMDGsに比べて、圧倒的に意識され、実効性を持つようになったのはなぜか。ここが一番重要なポイントだと思われます。
その最大の理由は多分、その間に環境破壊がより進み、「ボチボチやばいよなぁ」から、「このままでは絶対に将来破綻する。そうなると、先進国の繁栄も終わる」に認識が変化したことみたいです。
つまり、先進国側の意識が、「少し豊かさを割いても、途上国や環境を救うか」から、「今からやっておかないと、ただ単に自分たちが破綻するから、やるしかない」に変わったということ。理想論のレベルから現実論のレベルに下りてきたということのよう。
まあちょっと情けない感じもしますけどね(笑)
次に、作った人がうまかったというか、前身のMDGsとは大きく違うところもあります。
その一つが、SDGsは儲かりますよ、ビジネスチャンスですよ、と謳ったこと。そして、これら改善には、国や企業だけでなく、個人の取り組みが必須としたことです。
前者についても後に少し詳しく触れますが、その効果のメカニズムは予想できますよね? 対して、後者の効果がなぜ大きいのか。
例えばレジ袋の有料化。実際にあれで減るプラスチックごみの量なんて知れていて、つまり意識改革のためにやっているらしい。でもまあ、皆がエコやらSDGsを意識しだすと、「この会社ちゃんとやってるのか? ものすごく環境破壊してないか? 労働条件は?」とチェックするようになる。それが購買意欲に影響するようになり、実際に不買運動なども起こってきているのです。もちろん、実際に個人の取り組みも数字に関わってきますが、2次的効果として、意識しだした個人が、企業に厳しい目を向けはじめる、という効果を生むようになって、ここも劣らず大きいと。それらをSDGsは創り出したということなんですね。
では、次回からは、地球環境がいかに待ったなしにヤバいか、持続可能やビジネスチャンスなど、SDGsの新しい発想、そして個人がいかに取り組んでいくべきか、などを中心に、刺激的な数字や、僕個人の疑問などを挟んで、この本からいくつかピックアップしていきます。
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