『永遠のゼロ』を途中放棄した百田尚樹さんの本にリトライ。
生活ホラー(?)ショートショート集の『幸福な生活』を先日書店で選んだ。
『永遠の』は、浅田次郎『壬生義士伝』を丸っぽパクッた構成と、そのアクの無さが嫌で、ムリっ!と相成ったわけだが、本作はどうか?
それから、この間に知ったのだが、この人は本職は、というか放送作家でもあり、「探偵ナイトスクープ」などを担当しているとか。
う~む、それはあなどれんなぁ。あの番組はかなりセンスが良い。やはりなかなかのキレ者なのだろう。
さて、本題の『幸福な生活』についてであるが、僕はこれをまったく評価しません!
正直、作家向きの人でないとすら思う。
要するに「常識人」なんだよな。
全ての作品を、最後の偶数ページ1行目、つまりページをめくったイの一番に最後の一言を持ってきてどんでん返しをかけるという構成で全作を括る。この辺は心憎い。
そして、なるほど、それなりの話にはすべてなっている。
でも、作品が全く輝かないんだよ。なんつうか狂気がない。
とてもとてもすべては読み切れなかったので、6編ほどで放棄したが、中では解説でクドカンが褒めていたので、中ほどにあるが拾って読んだ『賭けられた女』が出色。これのみは乙一など短編名手のレベルに達している。しかし、それ以外は凡作だ。
常識的でバランス感覚の強い人。テレビの世界がぴったりであろうし、映像物の原作者としてもいいだろう。
ただ、彼の作品自体を読まされるのはちょっと勘弁願いたいかな。
狂気がないと成功しない、という意味では男性漫画のほうが小説や映画の世界よりも進んでいる。
『ジョジョ』はもちろん、『ピンポン』も『進撃の巨人』も、だいぶ狂っているのは読めばすぐにわかるだろう。国民的漫画である『ワンピ』だって、十分におかしい。
なにか、作者独自の視点・パターンのようなものがあって、意味わかんない展開が大なり小なり待っている。読者はそういうヘンテコ感に慣らされているというか、それがある程度入ってこないとワクワクしなくなってしまっているというか。
この人の作品にはそういう「わけわかんなさ」が全然ないのだ。
才人、器用人であることは疑うべくもあるまい。ただ、「作家」の定義が、ある程度の「作家性」を持っているものだとするならば、彼は全然作家とは言えまい。
これからも良い仕事をされていくだろうし、偉大な存在になっていかれるかもしれない。
ただ、彼の作品自体を読むのは当面勘弁願いたいし、それを第一級の作品と捉える人がいたら、実際ちょっと気の毒にも感じる。
めみ says
文章の構成を考えながら読む読書(書く立場の人間ではなく、一読者なので)ではないので、先生がおっしゃる、その辺りの所はわかりませんが、
百田さんへの世間の評価は、これから頑張ろうという「今」だから
余計に有るのではないのではないのかなぁ。
用語が色々あるので、少し時間は要しましたが、「永遠の0」は、私は好きな、かなり涙した作品でした。映画もよかったですが、2~3つぐらい入れて欲しい箇所が抜けていたのが、残念でした。
めみ says
文章の構成を考えながら読む読書(書く立場の人間ではなく、一読者なので)ではないので、先生がおっしゃる、その辺りの所はわかりませんが、
百田さんへの世間の評価は、これから頑張ろうという「今」だから
余計に有るのではないのではないのかなぁ。
用語が色々あるので、少し時間は要しましたが、「永遠の0」は、私は好きな、かなり涙した作品でした。映画もよかったですが、2~3つぐらい入れて欲しい箇所が抜けていたのが、残念でした。
めみ says
文章の構成を考えながら読む読書(書く立場の人間ではなく、一読者なので)ではないので、先生がおっしゃる、その辺りの所はわかりませんが、
百田さんへの世間の評価は、これから頑張ろうという「今」だから
余計に有るのではないのではないのかなぁ。
用語が色々あるので、少し時間は要しましたが、「永遠の0」は、私は好きな、かなり涙した作品でした。映画もよかったですが、2~3つぐらい入れて欲しい箇所が抜けていたのが、残念でした。
タクミ says
そういうことじゃない。
飽くまで読者の立場からです。
先に読んだものの丸っぽパクリだと、おもしろく感じないのは仕方が無い。
今回なら僕が壬生義士伝を先に読んでなければ、その件に関しては問題なかったという話です。
後からこれはパクリよと言われれば、その構成にドキドキした者として少し興ざめですが、やはりオリジナルを読んでしまっていることに比べればマイナスは断然小さいでしょう。
永遠のゼロの映画は、できれば見たいと思います。時間的に、映画なら最後まですっといけますから。
それで全くダメなら、この人の作品とその賛辞には今後10年くらいは心を動かさないようにすると思います。
それは時間の無駄だから。
タクミ says
そういうことじゃない。
飽くまで読者の立場からです。
先に読んだものの丸っぽパクリだと、おもしろく感じないのは仕方が無い。
今回なら僕が壬生義士伝を先に読んでなければ、その件に関しては問題なかったという話です。
後からこれはパクリよと言われれば、その構成にドキドキした者として少し興ざめですが、やはりオリジナルを読んでしまっていることに比べればマイナスは断然小さいでしょう。
永遠のゼロの映画は、できれば見たいと思います。時間的に、映画なら最後まですっといけますから。
それで全くダメなら、この人の作品とその賛辞には今後10年くらいは心を動かさないようにすると思います。
それは時間の無駄だから。
タクミ says
そういうことじゃない。
飽くまで読者の立場からです。
先に読んだものの丸っぽパクリだと、おもしろく感じないのは仕方が無い。
今回なら僕が壬生義士伝を先に読んでなければ、その件に関しては問題なかったという話です。
後からこれはパクリよと言われれば、その構成にドキドキした者として少し興ざめですが、やはりオリジナルを読んでしまっていることに比べればマイナスは断然小さいでしょう。
永遠のゼロの映画は、できれば見たいと思います。時間的に、映画なら最後まですっといけますから。
それで全くダメなら、この人の作品とその賛辞には今後10年くらいは心を動かさないようにすると思います。
それは時間の無駄だから。
noichigo says
>それから、この間に知ったのだが、この人は本職は、というか放送作家でもあり、「探偵ナイトスクープ」などを担当しているとか。
私は逆でナイトスクープの人が本を書いてる(た)んだという感じでした。
noichigo says
>それから、この間に知ったのだが、この人は本職は、というか放送作家でもあり、「探偵ナイトスクープ」などを担当しているとか。
私は逆でナイトスクープの人が本を書いてる(た)んだという感じでした。
noichigo says
>それから、この間に知ったのだが、この人は本職は、というか放送作家でもあり、「探偵ナイトスクープ」などを担当しているとか。
私は逆でナイトスクープの人が本を書いてる(た)んだという感じでした。
めみ says
そうでしたか。失礼しました。
多読の方ゆえの、気になる部分なんでしょうが、ここは、それを脇に置いておいて、ゆっくりで構わないので、ストーリーとして本を読んでから、それをビジュアル化した映画を観ていただきたいなぁ。
そして、10年後でもよいので、ご家族が増えてから、また読み直してもらいたいなぁと思います。
私は、海賊と呼ばれた男と、モンスターは読んでみようかなと思っています。
池井戸さんの作品も読んでみようと思っています。
めみ says
そうでしたか。失礼しました。
多読の方ゆえの、気になる部分なんでしょうが、ここは、それを脇に置いておいて、ゆっくりで構わないので、ストーリーとして本を読んでから、それをビジュアル化した映画を観ていただきたいなぁ。
そして、10年後でもよいので、ご家族が増えてから、また読み直してもらいたいなぁと思います。
私は、海賊と呼ばれた男と、モンスターは読んでみようかなと思っています。
池井戸さんの作品も読んでみようと思っています。
めみ says
そうでしたか。失礼しました。
多読の方ゆえの、気になる部分なんでしょうが、ここは、それを脇に置いておいて、ゆっくりで構わないので、ストーリーとして本を読んでから、それをビジュアル化した映画を観ていただきたいなぁ。
そして、10年後でもよいので、ご家族が増えてから、また読み直してもらいたいなぁと思います。
私は、海賊と呼ばれた男と、モンスターは読んでみようかなと思っています。
池井戸さんの作品も読んでみようと思っています。
タクミ says
>私は逆でナイトスクープの人が本を書いてる(た)んだという感じでした。
そなんだ。
僕は本の帯とかもあまり見ないしなぁ。
タクミ says
>私は逆でナイトスクープの人が本を書いてる(た)んだという感じでした。
そなんだ。
僕は本の帯とかもあまり見ないしなぁ。
タクミ says
>私は逆でナイトスクープの人が本を書いてる(た)んだという感じでした。
そなんだ。
僕は本の帯とかもあまり見ないしなぁ。
タクミ says
>ゆっくりで構わないので、ストーリーとして本を読んでから、それをビジュアル化した映画を観ていただきたいなぁ
もし映画が面白ければまた考えます。
ただね、僕はほとんど確信しているんですが・・・
この人は「ホンモノ」じゃないですよ。
つまりものを創造する人じゃないということ。
ただの器用人です。
もちろん世間には大器用人ともいうべき人もいて、なかなか嘗めたもんではありません。
ここでよく上げる人だと、日本史上最大の男性アイドル木村拓哉、20世紀後半の指揮界の帝王ヘルベルト・フォン・カラヤンなんかもそう。
クリエイティブだけれどもそこそこの人なんかよりもよほど偉大です。
ただ、彼らは本当の一級品を作り出しません(カラヤンのオペラ演奏とかは別にして)。それはなぜか?
彼らの芸が、基本的にはマネっこにすぎないからです。
いや、もちろん、芸は人真似の上にしか乗ってきませんから、あるいはマネっこ率が高すぎると言うべきかな。
タクミ says
>ゆっくりで構わないので、ストーリーとして本を読んでから、それをビジュアル化した映画を観ていただきたいなぁ
もし映画が面白ければまた考えます。
ただね、僕はほとんど確信しているんですが・・・
この人は「ホンモノ」じゃないですよ。
つまりものを創造する人じゃないということ。
ただの器用人です。
もちろん世間には大器用人ともいうべき人もいて、なかなか嘗めたもんではありません。
ここでよく上げる人だと、日本史上最大の男性アイドル木村拓哉、20世紀後半の指揮界の帝王ヘルベルト・フォン・カラヤンなんかもそう。
クリエイティブだけれどもそこそこの人なんかよりもよほど偉大です。
ただ、彼らは本当の一級品を作り出しません(カラヤンのオペラ演奏とかは別にして)。それはなぜか?
彼らの芸が、基本的にはマネっこにすぎないからです。
いや、もちろん、芸は人真似の上にしか乗ってきませんから、あるいはマネっこ率が高すぎると言うべきかな。
タクミ says
>ゆっくりで構わないので、ストーリーとして本を読んでから、それをビジュアル化した映画を観ていただきたいなぁ
もし映画が面白ければまた考えます。
ただね、僕はほとんど確信しているんですが・・・
この人は「ホンモノ」じゃないですよ。
つまりものを創造する人じゃないということ。
ただの器用人です。
もちろん世間には大器用人ともいうべき人もいて、なかなか嘗めたもんではありません。
ここでよく上げる人だと、日本史上最大の男性アイドル木村拓哉、20世紀後半の指揮界の帝王ヘルベルト・フォン・カラヤンなんかもそう。
クリエイティブだけれどもそこそこの人なんかよりもよほど偉大です。
ただ、彼らは本当の一級品を作り出しません(カラヤンのオペラ演奏とかは別にして)。それはなぜか?
彼らの芸が、基本的にはマネっこにすぎないからです。
いや、もちろん、芸は人真似の上にしか乗ってきませんから、あるいはマネっこ率が高すぎると言うべきかな。
めみ says
私が感銘した部分の2割が映画からは抜けていたので、内容を読んでもらいたかったですが、おっしゃる事は、よく分かりました。
めみ says
私が感銘した部分の2割が映画からは抜けていたので、内容を読んでもらいたかったですが、おっしゃる事は、よく分かりました。
めみ says
私が感銘した部分の2割が映画からは抜けていたので、内容を読んでもらいたかったですが、おっしゃる事は、よく分かりました。