オリンパスのカメラは、ミラーレス機であると同時に、「マイクロフォーサーズ機」でもあります。
スペルは Micro Four Thirds (System)。 m4/3と略されたりします。
そもそもセンサーが4対3の比率なことを表しているだけですが、現状では、センサーのサイズも含めての名称となってます。
ざっくり言って、従来のカメラ(フルサイズ機)と比べ、センサーが、長さで半分の大きさしかない。面積では4分の1ですね。

ミラーレス機にせっかく鏡がないのなら、カメラを小さくしようと考えた(はず)。
じゃあ奥行きを短くして、センサーも小さくしてしまえばいい。
いや、もともと、コンデジやスマホも含めて、とっくにそうなってるんですけどね。
ま、レンズ交換式カメラの話。
m4/3のカメラは、それを2分の1規模に揃えた。
これまたざっくりですが、センサーも、奥行きも、レンズも、フルサイズの2分の1スケールにしたようなもんです。(ちなみにAPS機は3分の2くらいです)
長さで2分の1なら、容積は3乗して8分の1だ。重さもそうなるはず・・・とはいかなかった。
機械としては同規模な部分が多い。それに、小さくしすぎても、持ちにくかったりしますから。
イメージとしては、大きさ(容積)で3分の1、質量では半分といったところでしょう。
でも、レンズは半分より軽いと思う。だから、システムとしては、やはり2分の1以下の重さになります。カメラ1台、交換レンズ3つくらいで、今までが3キロ、m4/3だと1.2キロ・・・とすると、断然魅力があるでしょう?
受光部センサーが小さくなることは、以前に言われていたほど画質に影響しないようです。でなかったら、センサーの超小さいスマホなんて、ボロボロになってるはずだけれど、そうなってないし。ただし、暗いところではしっかり差があるらしいが。
ところで、「このレンズは開放で絞り1.8」とか。どこかで聞いたことありませんか?
この数値は、レンズの明るさ、どれだけ光を取り込めるかを表していて、数が小さいほど明るいのですが、その「明るいレンズ」にはカメラマン垂涎のふたつの意味が含まれています。
ひとつは、暗いところでも撮影できるというメリット。
そしてもう一つは、ピント部よりも後ろ(や前)が良くボケる、というメリットですが、これこそが、いいカメラで撮影しているな、と一般の人が感じる最大のポイントと言えるでしょう(プロ的な人は、解像感が端々までいい、などとよく言います。でも、一般的には断然ボケのほうが評価されると思う)。
カメラのスケールを、相似的に半分にしても、レンズの明るさは同様に維持できます。
つまり、フルサイズの1.8と、m4/3の1.8は同じ明るさ。
ところが、この「ボケ」の方はダメなんですね。
きちんと半分になってしまいます。長さ的に半分。ボケは面積で捉えられる部分も大きいでしょうが、そちらなら4分の1。この差はでかい。バカでかい。
そもそも、ズームレンズ(倍率が変わるレンズ)では、2.8(通し)レンズが明るくボケるレンズの代表格です。
対して、カメラを買った時に付いてくるおまけレンズは、3.5~5.6くらいに変動するタイプ。平均値が5弱くらいです。
それは、フルサイズでも、m4/3でも同じなのですが、さあ、ここで本題です。その「m4/3システム 開放2.8」というドヤ顔で呼ばれるレンズは、明るさはその通りでも、ボケで言えば、「開放5.6」にしかならず、フルサイズ機のオマケレンズにも負けてしまうくらいなのです!!!
さらに追い打ちをかければ、最近は、iso値を上げても画像が乱れにくくなってきましたので、暗いところで役立つ明るいレンズ、の価値は相対的にはっきりと落ちてきています。であれば、m4/3で明るいレンズを持っていても、ちょっといいオモチャくらいにしかならん、ということになるではないか!
・・・いや、実際多分にそうなのだと思う。
オリンパス機やパナソニック機を買った時によく付いてくる、電子ズームのレンズ。小さくて、とても便利なのですが、あれだけで持ち歩くくらいなら、スマホで撮るのとなんぼも変わらないし(スマホは、モニターが大きくて美しいのが断然すばらしい。作画を完全に追い込める意味ではベストでしょう)、高級コンデジにはっきりと劣ります。
しかし、その光学的な機能の話だけをしても、レンズにはもう一種類あるのでした。そう、単焦点レンズ(倍率の変えられないレンズ)です。
次は、その話をします。
コメントを残す