今日は個展の初日だったけれど、これにも触れずにはいられない気分。
イチロー実質的な引退。ですね。
「最低でも50歳まで現役で」と話していた彼が、意外なまでにあっさりと白旗を上げて。
自分から言い出さなければならないかな、と思っている時に、球団から終生契約の話が来たようで、お世話になった球団にお返ししたい、と喜んで受けたらしいが。
ちょっと信じられないですね。彼の心境的な部分。
そんな男だったっけ?
あの落合ですら、晩年は心が揺れました。
「俺流」人生だったのに、巨人で憧れの長嶋のために奉仕したいと。
FAで入ってくる清原にポジションを譲り、自分は彼のコーチをしながら控え選手に回ろうと、ほぼ思った。
ところが、そこで登場したのが、あのふてぶてしい顔の、悪妻・信子です。
「ふんっ! あんたそんな立派な男やったっけ? しょーもな。」
みたいなことを多分言った。いや、関西弁ではないだろうけど、関西弁が僕は一番表現できるから。
それで落合の目が覚めたというのです。
「ほんまや。俺は俺でなくなりかけてた。このブスの嫁はん、やっぱ俺にはサイコーの女やで」と。
あ~、ちょっと泣きそうです(笑)
はなし戻して、思うにイチローもそんな隘路に挟まっちまったのではないか。
ものすごいプレッシャーの中、「この2か月は最も幸せな日々でした。球団にお返しすることは願ってもないこと。何の喪失感もありません。」という話にしてしまいたくなった。
苦しい。男として本当に苦しい話です。キーボードを打っていても、心臓が締め付けられるような気持ち。あれだけ、自分に自信を持ち、自分のために生きることで人を魅了し続けた人間が、美談の中に紛れ込んで消えていこうとしている。
でも、本当にそれでいいのか?
ボロボロになってもやるつもりでいたのじゃないのかな。ちょっと前までは。でもその意気地が折れた。奥さんを非難するつもりはないけれど、まあ美人な分、信子のようにふてぶてしくはなれなかったか(笑)
「本当にそれでいいの?
マリナーズの申し出は、本当にあなたのためになることなの?
今シーズンのすべての残り試合に出なくて、来シーズン以降にサポート的に現役で出るって、そんなことが可能だと思う?
そして、それくらいの形で現役を続けて、それは『50歳まで現役』に含まれるの?
1本ヒットを打って、45歳で、46歳で、と称賛されて、誰かの記録をまた抜いた、とか言われて、チビチビと続けていくことが、それに含まれるの? そんなのただの人情話じゃないの?
「野球の研究者」が理想なの? 私は「野球の求道者」だと思っていたのだけれど。
周りがどう言おうが、俺はこれからも挑み続け、いくつもの限界を超えて見せる。野球に狂って、人間にできる最大限のチャレンジして、そして、もういよいよどうにもならないか・・・と悟った時が、俺の辞める時なのだ、と思っていたのではないの?
本当にもういいの?」
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