男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け 2022/12/31 By 1 Comment 今回寅さんを観るまでに1本しか観たことがなくて、しかも随分昔だからどれを観たか覚えていない。 「第1作」「相合い傘」の次に選んだのがこれだったのだが、しばらく観てビックリ!なんと、その1本がこれであった。だから再見ということになる。 学生時のレンタルショップでDVDの裏を見ながら決めたはず。 代表作、などという言葉で選んだろうから、確かに被るリスクはあったのだ。そして、寅次郎の旅先が「兵庫県龍野市」である。これだろう。 今はたつの市と表記するこの場所が、僕の両親の故郷となる。と言ってもお見合い結婚だけれどね(笑) 「ロケ地が龍野」という記述を見て本作を選んだのであろう、その時の感想同様、今回も龍野をいいように撮ってくれていて、嬉しいような恥ずかしいような気持になる。 確かに、こういうゆったりしたところではあって。 夕方になると町中に「赤とんぼの唄」が流れる。作詞者三木露風の出身地なのだ。歌詞は流れていないのだけれど(笑) 「夕焼~け小焼~けの、赤と~んぼ~♪」 あっ、だから「寅次郎夕焼け小焼け」か。気づけよ(笑) さて映画の方。 先に言ったように、寅さんシリーズ中の代表作であり、マドンナ太地喜和子も、名マドンナに数えられる。しかし、作品のレベルもマドンナも、「相合い傘」と浅丘ルリ子に一歩も二歩も譲るといったところだろう。 それでも、最後の、宇野重吉演じる画家先生が、寅さんの赤心に心動かされる場面はすごくよい。芸者ぼたんの借金返済のために絵を描いてくれという、どう考えても無理を言ってくる寅さんに、でも、それこそが人間の真実と思い至ったか、一幅の絵(洋風なので1架?)を描き、ぼたんに寄贈する。それを返済すれば借金が返せるぼたんはしかし「私譲らへん。一生宝もんにするんや」と涙で叫ぶ。 金よりも心、というシンプルなメッセージが身体を貫いてくる。78点
佐藤和明 says
丹後 伊根町 舟屋が印象に残る