『007/カジノロワイヤル』こそ最愛の映画 2023/1/5 By Leave a Comment スパイ映画ジェームズ・ボンド・シリーズの第21作目にして、現役ボンド(前作まで)のダニエル・クレイグ初登場作であるが、シリーズ中ダントツの最高傑作であることは間違いない。 他の007映画で、印象的な場面が各2~3あるとしたら、本作は10ある。いや15でもいいか。もう「好き」としかいいようがないのだ。 だからどの場面を挙げるということはしない。というか、ほぼ全部いい。ずっといい。 強いて言えば「水」絡みか。 洗面器に水を入れて、敵方の顔を突っ込む荒々しさ。 シャワーに濡れそぼる二人。 そして、水の底へ沈んでいくヴェスパー。 それまで僕のベストはショーン・コネリー主演の「ロシアより愛をこめて」だった。 ボンドガールも美しいし、ロバート・ショー演じる敵も手強い。もちろんボンドは最高に男臭く、主題歌も最高だ。 残念ながら本作はそれを軽く超えてしまったわけだが、「ロシアより・・・」はシリーズ第2作であり、今観れば古色は免れないことだけがその差ではないだろう。本作はストーリーや恋のドラマ部分が格段にレベルアップ。アクションやテンポ感の圧倒的進歩は抜きにしても、単品の映画として見て、十分に差があると思う。 実際、ダニエル・クレイグは、時代を超えて評価してもショーン・コネリーと並ぶボンドと言えるだろうが、残念なのは、彼がボンドを務めたその後の4作が、その最高のボンドを擁したわりには、イマイチパッとしないことだ。 「スカイフォール」と「スペクター」は十分満足できるが、それ止まり。最新作の「ノータイム・トゥー・ダイ」は僕は評価しないし、「慰めの報酬」はボンドシリーズ中の駄作と言っていいだろう。 いや、それを不満に思うよりも、それだけ本作が、すべての要素が奇跡的に嚙み合った、”まさに奇跡の1作”ということで良いのではないか。 今回これだけまとめて映画を観て、偉そうに評まで記しておき、こんな目出たいようなシリーズものアクション大作を最高とするのも恥ずかしいが、これこそが僕のベスト映画と言い切ってしまいたい。100点満点、掛け値なし、だ。
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