『シド・アンド・ナンシー』 2023/6/19 By Leave a Comment 伝説のパンクバンド「セックス・ピストルズ」のベーシストにして、パンクのカリスマ、シド・ヴィシャスを描いた伝記映画。 今回初めて知ったのだが、彼はベースが下手だった~ほとんど弾けず、”エア・ベース”だったという。 才能ある前任ベーシストが脱退し、ピストルズの追っかけでヴィジュアルのよいシドに白羽の矢が立った。一緒に飛び跳ねているだけで、音楽的には無能。それでも、ピストルズの象徴に彼はなっていく(この辺りは映画で描かれていない)。 素行はむちゃくちゃでジャンキー。尖がったナイフのような彼の人生に、同じ破滅型の彼女ナンシーができてしまい、二人は当然破滅の道を転がり落ちて行った、というのが映画で描かれている話。 まず、シドを演じたゲーリー・オールドマンの演技が圧巻である。なんと映画初出演だったというが、こりゃもう引く手あまたは避けられないだろうというデキ。 しかし、ナンシー役の女優はブスすぎないか。実際にナンシー・スパンゲンは普通にかわいい人だった。別にヴィジュアルが耐えられない、美人が見たいとかではない。なんか、シドがこのブスと離れられないとなると、また話が変わってしまう気がするのだ。 かなりグロいのを我慢すればシドやパンクについて理解が深まる・・・というだけに止まる映画でもない。同じようなピュアネスを幾分か以上持っている人間なら、こうやって駆け抜けて死んでしまいたいという願望はあるはずだから。 もちろんジャンキーになりたいわけではない。自分らしさを貫いて人生のクライマックスを1~2度作り、やりすぎたり飽きられて死んでしまえば、十分ではないか。もちろんそういう満足感が彼にあったわけでもないのだろうが、もし天国で今の名声を見知ることができれば、それこそ早世したことを悔いるまい。 これぞパンクという人生を見せてもらった。80点
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