『めまい』ヒッチコックの代表作と言えばこれ 2023/3/20 By Leave a Comment ヒッチコックの代表作。『サイコ』が革新性では一番、本作が作品として一番と言ったところの世評か。それにしてもヒッチコックは、ものすごいハイ・レベルの作品を作り続けながらも、”映画史上最高”はおろか、”10年に一度の”レベルさえ1つもないなぁ…とは思う。 それでも、ヒチコックは大好きな監督だし、本作がやはり僕にとってもナンバーワンということにはなるのだろう(笑) まず、ストーリーがかなり練れている。『レベッカ』と同等くらいか。これは現代のレベルで見てもなかなかのものだ。 次に、ゆったりと色っぽくありながら、きりりと引き締まっている。まあ、これもいつもの芸風、相変わらずではあるのだが。 僕はヒッチコック(初期の映画が特にそうだが)を観ると、いつもジョージ・セルという指揮者を思い出す。一見引き締まっているが、実は色気やユーモアもある。過度な表情付けをせずにストーリーや楽曲自体に語らせながら、きちんをドラマを描いていく。 今調べたら、ヒッチコックが1899年の生まれ、セルが1897年であったから、そういう近しさも芸風に影響しているのかもしれない。 それ以外ではやはりキム・ノバック。いつも美しさを語られるが、今回は、その演技力に驚いた。一人二役(?)を演じるのだが、メイクアップも含め、これはなかなかの演じ分けではないか。 演技力と言えば、何気に、主人公の女友達のオトナな女心も深い。あぁいう中年の恋愛みたいなのは、欧米ならではの描き方だし、実際、日本人の中ではなかなか成立しない恋心かもしれんね。素敵。 アニメーションを組み込むなど、斬新なアイデアも多く、いかにも映画で遊んだヒッチコックの本領発揮作だ。82点(いや、これも何回目かの視聴であるために低得点なのは間違いない)
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