『素晴らしき哉、人生』これは観てよかった! 2023/2/25 By Leave a Comment 1946年公開の映画。この度初めて観たが、この時代の映画で最高の作品であった。 ジェームズ・スチュアート扮するジョン・ベイリーは、小さくも良心的な住宅金融を営む父親から、跡を継ぐよう希望されるが、田舎町から出て、大きな都市開発をしたいのだと言って断る。尊敬する父の仕事(業種)を、しかし壮大な規模でしてみたかったのだろう。 子供の時に凍る池の中に落ちた弟を救い片耳の聴力を失い、大学に行こうとした時に父親が急逝して会社を継がざるを得なくなった彼は、代わりに大学に行った弟が同地での結婚のため会社を継いでくれなくなり、ついに、町から出ていく夢を絶たれた。 それでも理想の妻を得て4子を儲け、貧しいながらも着実に生活していくジョン。強欲な街の支配者ポッターと対峙し、貧しい人たちでも自分の家を持てるよう、孤軍奮闘していく生きざまは、彼の父親の後継者そのものであった。 ところが、叔父が大金を紛失させてしまったことから、一気に破産の危機に直面する。今までずっと自分を抑えて生きてきた男が、クリスマスの日に遂に自暴自棄に陥り、家族にすら激しい八つ当たりをしてしまう。 ライバル・ポッターに援助を頼むが、担保もないくせに、と言われたことで保険金と引き換えの自殺を思いつくジョン(まあ、それではお金下りないのだろうけど)。極寒の中、激流の川に飛び込もうと橋の上に立つのだった・・・。 時代を(あまり)感じさせない洗練もさることながら、人間の描き方が素晴らしいを通り越して、もはやエグイ! 後継を申し出る父親の佇まい、妻となるメアリーのところになぜ会いに行かないの?と背中を押す母親の包容力とかわいらしさ。薬屋の店主もフワフワ娘のヴァイオレットも、実在感があり悩みも垣間見れて、本当に生きているよう。 そしてラスト。クリスマス・ソングの中、そこで展開されるのは、まさに最高のシーンであり、アメリカ映画協会「感動の映画1位」、アメリカでこの映画がクリスマスに流れるのは定番というのもうなずくしかないデキと言っていい。 こんなに素直に感動できた映画も久しぶりでした。いや~、映画って本当にいいもんですね。90点
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