ファンタジー小説『夜の写本師』 2014/5/31 By Leave a Comment ファンタジーという分野はお好きでしょうか? 僕は意外と(?)好きなんですよね。 「大好き」の一歩手前くらいいく。 このブログでも過去に、『ハリー・ポッター』や『精霊の守り人』の話をしてきましたし、漫画にまで広げるとファンタジーだらけですよね。 ワンピもNARUTOも完全にファンタジー。 子供の頃にはまった柴田練三郎の『真田十勇士』なんかも歴史ものというよりファンタジーだった。 映画では『ネバー・エンディング・ストーリー』はピンと来なかったかれど、デヴィット・ボウイの出る『ラビリンス/魔王の迷宮』は不思議かつかっこよくてくらっときたな。 昔のボウイのセクシーさってちょっと特別だったよね。日本で言えばジュリー。 最近読んでおもしろかった本のうち『夜の写本師』(乾石智子著)はファンタジーものの力作だった。 名作ではなく力作としたのは、デビュー作にありがちの頑張り過ぎ感がちょっとあったから。 最初のもので頑張り過ぎというと、僕はなんといっても「ブラ1」を思い出す。 ブラームス最初の交響曲は2曲分くらいの内容をぐぐっと押し込んで1曲にしてしまったような「濃さ」。 残りの3曲がバランスいいので滑稽にも感じるが、そういう「パワーが枠をはみ出してしまった」良さもまた代えがたいものがあります。 ・・・と、これは脱線、本の話ね。 「守り人」シリーズをテキストにしたのは、まあ間違いないでしょう。類似点が多い。トロガイ師らしいキャラも出てくるし。 でも、もちろん異なる部分もあって、そのうち僕が最もおしいと思うのは、その魔法レベルのすさまじさだ。 簡単に言うと、「守り人」世界の中で「ハリー」ばりの魔法が展開されちゃう感じなのけれど、これって違うんじゃないだろうか?と。 読書(映像もそうだけれど)というのはおもしろいもので、リアリティを感じなければやはりだめなのだが、いっぽうでそのリアリティというもの、絶対にありえない設定であっても人間は感じ取ることができるようになっている。 要は「その世界の中で整合性が取れている」のであればいいのだ。 そういう意味で僕は『夜の写本師』にイマイチ入りきれない。 とはいえ、やはりおもしろい本であることは間違いありません。 73点くらいかな。 ファンタジーがイケる口のかたにはかなりお薦めです。
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