今年は大学の講義があったので、おかげで「いつかは勉強しなきゃ」と思っていたことをいくつか学ぶことができました
そのうちのひとつが今日取り上げる「パーソナルカラー・コーディネート」です。
メイク理論のメインに用いている方もいらっしゃるくらいなのにナンですが、僕はこの理論はちっともピンと来なかったというのが本当のところ。
そう思った理由の大きなものが、専門学校で授業を受けた時に、「肌と、目と、髪の色で判断しろ」と言われたけれど、肌も目もほとんどみな変わりはなく、違うと言えば毛染めで赤や金になった髪の色ばかりで、「なんのこっちゃねん!?」と思ってしまったからなのです。
さて、この度は、本を2~3冊読んで調べてみたわけですが、ひとことで結論を言えば「やっぱ、メイクにはほとんど関係ないな」ですね
まず、色彩学の分野で、パーソナルカラーに大いに関連があるのは「色彩調和論」という理論です。
自然界で、光があたる場所と日陰とで、前者が黄味に、後者が青味に偏るように、「それぞれの色に暖色系と寒色系がある」と喝破したのはアメリカのビレンさんでした。その後、そのイエローベースカラー群とブルーベースカラー群をそれぞれ2つにわけ、四季の名前を与えて4つのグループに分けたのが、今日よく知られるところの「四季の分類法」です。
それは最初インテリアの色の決め方などから利用されたものでしたが、20世紀半ばになるとファッション・コンサルティングに応用しようとする人たちが現れ、ケネディがニクソンを破った選挙時に成果を上げたことから世に知られることになりました。
そして、1980年代に「あなたにお似合いの色を見つけます」という斬新なキャッチフレーズとともに日本に輸入されたわけですが・・・
はっきり言って、初期のアメリカ式カラーコーディネートは日本で惨敗したようです。
だって、人種モザイクの国でこそ存在した、肌や髪や目のダイナミックな差が、日本人には全然ないんだもの。あったりまえ~
そして、僕が1995年ごろ専門学校で習った理論も、まあこの時期のものだったわけですね。
しかし、そこは凝れることでは世界に冠たる日本人。
何とかかんとか工夫して、日本人にも商品価値のあるカラーコーディネート理論に根性で改編してしまうところがすごい
肌や髪の色以外に、顔立ちや、さらにキャラクターをも判断要素として、「こういうタイプの人は春(夏・秋・冬)イメージである→こんな色群が似合う」と決め付けた!
さらに、日本人に差が小さいので、春と秋の間くらい・・・ということも当然ありえる代わりに、「明るめが合う(明度)」「鮮やかなのが合う(彩度)」など、四季分類以外の要素もアドバイスすることで、却って従来よりも多くの知識を持って帰ってもらおうとした。
・・・というわけです。う~ん、転んでもただでは起きない!
しかし、こうなると僕にはひとつの疑問がむくむくと浮かんでくるわけですが、まあそれはもう少し先延ばしにして、さらにお話を進めましょう
そうやって、あなたには「こんな色相(色の種類)で、こんなトーン(明度やサイドで色を括った各グループ)のグループが似合います」となったら、それで終わりかというと、次にはその「配色」を知らねばファッションの役には立ちません(もちろん「診断」までなら、そこで終わりなんだけど)。
インテリアと同じですね。
ところが、その配色法には、同一・類似・対照の2種がある。すなわち、同一色相配色、同一トーン配色・・・と掛け合わせ6種のパターン(正確には7つらしい)がある。さらに、その面積比によってイメージは変わるし、セパレートカラーと言って、合いにくい色同士でも無彩色を(国旗みたいに)間に挟めれば使えるというテクもあるらしいのです。
さあ、このあたりで、先ほど僕が言っていた「むくむくと浮かんでくるもの」の正体も、もう充分に明瞭になってきたのではありませんか?
つまり、「あなたにはこんな色が似合います→こういうコーディネートパターンがベストです」というような流れで、ファッションを絞り込めるプロというもの自体が、僕の想像ではほぼ全くいないだろうということ、これはそれくらいに複雑な理論であるということです。
フォーシーズンのグループ色の中だけなら、どなたか超優秀な専門家が、その代表的な配色をイラスト等にまとめておいて、みなが利用するという方法もあるけれど、日本人の場合は、似合うとされる色自体を、フォーシーズンをまたがってあっちこっちのトーンから持ってくるため最終的には独自のグループを作るので、その配色パターンは、各コーディネーターがオリジナルで考えなければなりません。そんなん全然無理やろう~!
いや、パーソナルカラー・コーディネート理論がまったく無意味だと言っているわけではないですよ。それらを自分なりに取り入れて血肉と化し、「こういうタイプの人には(色も含めて)こんなコーディネートが似合う」という必勝パターンを持っているスタイリストさんは世にいっぱいいらっしゃるでしょう。
でも、我々が「医者なら病気を治す術を持っているだろう」的に、「自分に似合う色を判断することから、ベストコーディネートを見つけ出すアルゴリズム(計算手順や処理手段)がそこにはあるだろう」と思ったら、それはほぼ完全に裏切られると言っていいと思うんです。
だいぶ理屈っぽくなってしまいました。すみません
ものすごく簡単にまとめれば、パーソナルカラー・コーディネートのサービスをお受けになることは、ご自分に似合う色についてなんらかの知識につながることは間違いないでしょう。でも、次に紹介されるコーディネートパターンは、全然参考にならないか、もしそれがすごく有益なものだったとしたら、それはそのコーディネーターさん個人のセンスによるもので、カラーコーディネート理論から理詰めに求められた結果では全然ないでしょう・・・ということです。
次に僕の本職のメイクアップとの関連ですが、長くなったので次に回したいと思います。
ただし、すぐ次かどうかは気分次第ということでお願いしますね
(左写真は、上から各、春・秋・夏・冬のカラーグループです)
プードル says
なるほど納得!!
コーディネイトが役に立った場合って、カラーコーディネイトの理論ではなく、その人のセンスだったということは大いにあると。
しかし、なんでも商売になるのですね。
それだけ日本人(特に女性)は好奇心が旺盛で、勤勉だわ。
有名な(どこで有名かしらないけど)カラーコーディネイターによるパーソナルアドバイスに、一時間約2万円というのを広告で見つけ、「・・・すごい。」と思ったことがある。
それなら私がしてあげると。
説明できないけど、この色がいいよ!というのが直感で、まず当たってると思う。
自分に似合う色は全色似合うと思いたいし、お金だけの関係の人に、セオリーによりますと、この色はあなたに似合わないといわれたら、ちょっと納得できない。。。
あと、お話かわりますが、占いの今日のラッキーカラーっていうの。
あれはもうちょっと理由があったほうがいいかとと。あまりにも適当すぎるとおもうなあ。
タクミ says
>それなら私がしてあげると。
説明できないけど、この色がいいよ!というのが直感で、まず当たってると思う。
いやまあ、そういうものでも・・・
それはそれで合ってるのだろうけれど、それを幅広く見つけてきたり、それと相性の色を引っ張ってきたり・・・と、それなりにメリットはしっかりあるわけです。
>自分に似合う色は全色似合うと思いたいし、お金だけの関係の人に、セオリーによりますと、この色はあなたに似合わないといわれたら、ちょっと納得できない。。。
そのセオリーというのは実質「ない」ですね。
今は、肌がどうだから・・・とかいう論理からではなく、テスターを当てて当てて、実視によって見ていくだけ。
つまり、意見が合わないときは、己の感覚を信じるか、プロと言う人の感覚を信じるかだね。
占いのラッキーカラーの話は。。。
スルーしていい??
プードル says
はい。
わたしもセオリーはないと思います。
例文が悪かったですね。
テスターを当てて当ててというのはこれは実技で納得もできます。
型にはめるというのが苦手なだけです。
スルーするもアテンドするも、、、あえて聞かれると、、、惨めなかんじだわ。
タクミ says
>わたしもセオリーはないと思います。
うん。そのセオリーが最初はあったわけなんだよね。
ってか、アメリカじゃ今もあるわけでしょう。
肌と目と髪と爪と・・・とかの色を見て、それならばこれですよ、てのが多分基本。
そういう「本来のもの」が吹っ飛んじゃったあとも、プードルちゃんの言うように「商売にしてる」ってのがすごいよね
プードル says
アメリカでは、VIP専用にカラーアナリストがいまだ活躍してるそうですね。そのセオリーがまだ生きてる。
でも、仰るとおり、日本人にはあまり通用しない。
役に立つことも多少はあるのはあるでしょうが、経済も(セオリーつながりで、MBAもそう)ファッションも、カラーも、結局、経験してきたことで学ぶことの方が大きい。
というのは、あくまでも私自信のセオリーですけどね。
タクミ says
そのカラーアナリストってのは、色による表現も考えてるイメージ。
ネクタイの色でこんな風に見せようとか。
日本の選挙でも同じような理論を導入してるんだけど、そうやって割り出したイメージカラーをポスターの背景にドンっ!とかいっちまう。
そういうのって、女性議員が清廉だけを売っていた時代の遺産みたいでダサいよね。
・・・これも、経験で学ぶべき種類の事柄ちゃうか?
プードル says
イメージカラーをポスターの背景にするってこと。
バックの色は、セオリーで考えだしてたんだ。
知らなかった。
それで一票増えてたのかな。
もし人類、個々の人間の個性や性格を色で表現できるという、数学みたいな確固たる証明がなされたセオリーがあれば、色分析という学問も認めることができる。感覚だから不可能だとおもうけど。
へりくつか。
しかし、、研究材料としては面白いかも。
ぺろにゃん says
パーソナルカラー診断…
それ、やったやった
昔、John Robert Powersって言うヨーロッパの花嫁学校みたいなトコでやった事あるよ。
やるまえから、私の肌は黄色いから秋か冬だと思ってましたが、正に正解だったよ!
その時もらったカラーチャート別に活用してないな。
確かに同じ白でも肌馴染みのいい白とか、あるのもしれないんだけど…
生地から選んで仕立てる訳に行かないから、やっぱりカラーよりデザインで選んじゃうよ
いくら肌に馴染む色でも、襟の大きさ首回りの開き具合とかいったデザインの方が断然大事になるからね。
多分、日本人なんて自分にカラーチャートに無いモノ選んでも、ボトムスやストールや帽子、バッグといった小物で色のバランス変えられるレベルなんじゃ無いでしょうか
昔、友達の中にカラー診断の勉強したって言う人がいて(後できいたらちょっとかじった位のレベルやった)、私がマフラー選んでたら『その色より、こっちがいい』何てアドバイス受けちゃって…困った事があったなぁ~
コーディネートのアクセントとしてマフラー選んでんのに…コーディネート無視ナンだもん。
それにしても…カラー診断なんて廃れたんやと思ったらまだあるんやな~
おっちゃん says
先生。新たな目標を持って、仕事に没頭し始めているようで安心しました。
でも、くれぐれも悲しみを紛らわすために仕事を捌け口にしないで下さいね。
生まれつきの性格や育ち方も影響しているらしいのですが、無理に悲しみや寂しさを閉じ込めると、脳内のセロトニンが減少します。僕の場合は、身体症状が出るタイプの鬱でした。手先や体が勝手に震えたり、絶望感と虚無感に悩まされます。
特に先生は仕事柄、手が震えるのはマズイですよね。
お節介ですけど、充分気を付けて下さい。
timo says
カラーコーディネートって複雑な理論だったのね)
私はメイクでもファッションでも、カラーとはマイナス面をうまく埋めてくれるものと考えてコーディネートしていました。
もちろん詳しい理論は分からないので自分のカンを頼りに・・・
眼が腫れぼったいからシャドウに膨張色を使わないとか、顔色良く、若々しく見せる為に明るい色の服の色を選ぶとか・・・
(こう考えていくと欠点多い・・・
年齢と共に似合う色も変わってきます。
1年毎にカラーコーディネートが必要になるにゃ
タクミ says
いや、それもたびたび考慮されている、というくらいで、「赤が似合うから赤で」みたいなのも多いと思うよ、プードルちゃん。
そして、そういう色の効果って言うのは、これはかなり証明されている分野だと思う。
ただし、所詮は、統計学くらいのものからだろうけどね。
やっぱり、基本は自然界の水や、炎のイメージがあって、それから青は涼しいとか落ち着くとか、赤は熱いとか気合が入るとかになるんだよ。
タクミ says
>やるまえから、私の肌は黄色いから秋か冬だと思ってましたが、正に正解だったよ!
多分初期の世代だね。
そして、イエローベースは、春と秋です。
ぺろにゃんは、多分春も秋もいけると思う。
夏(グレーっシュなパステルカラー中心)や冬(ヴィヴィッドなブルーとか)はさっぱりちゃう?
>多分、日本人なんて自分にカラーチャートに無いモノ選んでも、ボトムスやストールや帽子、バッグといった小物で色のバランス変えられるレベルなんじゃ無いでしょうか
ほぼそれで正解と思います。
合わない色の単色セーターをドンっと着ちゃうと無理・・・というくらいで。
>花嫁学校みたいなトコでやった
京都で「花嫁学校」と言えば、また別のものですな・・・
タクミ says
おっちゃんさんありがとうございます。
でも、大丈夫!
仕事に没頭してないし
鬱かぁ・・・
現代人には多いですよね。
僕も、弱度のやつは何度か経験しています。
踏ん張りきかないし、イライラもしたり・・・
ああいう症状は今回は出てないけど、気力はイマイチないのが現状です
タクミ says
>眼が腫れぼったいからシャドウに膨張色を使わないとか、顔色良く、若々しく見せる為に明るい色の服の色を選ぶとか・・・
腫れぼったいから云々は、はっきりと実証できるものですよね。
顔色良く見せるためなどに明るい色・・・というのが、まさにカラーコーディネートの成果で、ただ単に明るい色は全部OKではなく、明るい中でも彩度が高めがよかったり、顔から遠い色がよかったり。
それをみな経験で学んでいくわけですが、まあ、自分じゃわからない人もいたり、教えてもらった方が思わぬ発見もあったり・・・と、そんな感じのサービスと思います。
ぺろにゃん says
あの、花嫁学校かぁ~
看板持ったおっちゃんが立ってた…
あれ、京都だけなん?
てっきり全国チェーンかと思ってましたよ
そうそう、春と秋やわ。
なんせ地グロやからなぁ~
地グロ
がっちり
肌きれい
そして…ブス
理想的やな
タクミ says
いや、花嫁は結構小さな会社で、あの後分裂とかして、ちいさ~くなってしまってたで。
昔、本で調べてインドネシア料理店に食べに行ったら、花嫁のビルやって、だいぶ気まずい思いしたわぁ。
理想的なのはチチっしょ!?
ぺろにゃん says
せやったわ~
理想的なチチです。
お墨付きですから
タクミ says
グ~よ、グ~!