もう4日も前のことになりますが、無事シンガポールから帰ってまいりました。
メイクの講習会の講師として呼んでいただき、水曜日のお昼にノースウエスト便にて出発(写真①)、当日は会社のゲストルームに泊めていただき、次の日から2日間メイク講習と観光をし、4日目の早朝チャンギ空港を出発して夕方青山着というスケジュールでした。
その間、ラッフルズホテルも行きました(②)、マーライオンも見ました(③)、メイク講習も2回行い(④)、地下鉄に乗って移動して街中を散策してみたり(⑤)、シンガポールスリングも飲んだし(⑥)、空いた時間には読書(⑦)、ナイトサファリにも無事行けて(写真なし)・・・とベタに盛りだくさんだったのですが、それ以上に「う~ん・・・」と考え込んでしまったこともあり、そちらの方を報告させていただきます。
シンガポールは、歴史上に名を現したのが14世紀、貿易港を開いて世界に重要性を示したのが19世紀、都市国家としての独立は1965年という極めて「若い」国です(ちなみに僕と同い年
独立当初は貧しいというか、むしろ“ショボイ”と言っても良かった国を導いて成功をもたらしたのが、我々もよく知るところのリー・クワンユー初代首相(現在も重鎮的立場で現役)です。
彼は一党独裁をもって、強烈なリーダーシップを発揮し、国家を発展させていきました。
貿易・通商と金融、観光を産業の柱とし、団地を立てて国民の80%以上を住まわせ、倫理よりも規則と罰則で律していくなどの国家育成法は「明るい北朝鮮」と言われるほどの強権的改革なのですが、そこに不満が噴出しなかったのは、その改革が「大成功中」であり、2007年には国民一人当たりGDPで日本を越してアジア最高に就くという、泣く子も黙る結果を残しているからなのです
確かに街中を歩けば、風情は南国の解放感と、北側先進国の衛生や治安の良さを兼ね備えてい、人々は明るく、国家の明るい未来を信じているように感じます。
でも。でもですよ・・・
僕の頭の中には何とも言えない気色悪さが渦巻いているのです。
『そんなことあるわけないだろう』ていう声がするのです
ヴァーチャル・リアリティ映画の主人公のような感覚になるのです
2000年もの歴史と高度な精神文化を持つ日本においてさえ、バブル経済は大きな爪痕を残しました。
もちろんプラスに働いた要素も数多くあったでしょうが、同時に日本人的価値観というべき多くのものを失う結果ともなりました。
それに比して、シンガポールでは「国家建設と同時に始まった最初の改革が成功してしまい、今まだその最中にある」という状態なのです。
それが下降線を描き出したとき、人々の中にどういう“浅はかな”反感が起こってくるか、それが一党独裁を葬る過程でどのような騒乱を引き起こすか、そして、この“まずあった”バブル景気が国民の精神的成熟を今後どれだけ阻んでいくか・・・などを考えるとソラ恐ろしいのです。
この20年~50年後のシンガポールは、恐らくまったく異なった姿となっているのではあるまいか!?と僕には思われます。
そして、それが国家滅亡クラスの悲惨な結果を伴う可能性すらも十二分に持ちうる・・・というのが、滞在中後半から今日までに僕が抱いてしまった感想なのです。
ご旅行で行かれたことのある方など、ぜひご意見下さい。
もっと軽~いものももちろん歓迎ですよ
けいこ says
ナイトサファリ行けたんですね
たいしたことは無いのだけれど、
園内を走る車に乗って夜の動物見るって
滅多に無いので、雰囲気が面白いですよね。
友達とワイワイ楽しかったなー。
ワタシが行ったのは船旅で、
年に何回か世界一周しているその船、
必ず寄港して燃料補給等をするのがシンガポールでした。
シンガポールの海峡では、
燃料補給や食料補給のためにここを通過する船をかなり見ましたし、
飛行機の寄航も多いので、
そういうところからも収入がかなりあるんでしょうね。
ただ、観光立国と言われるわりには、
観るものもそれ程無い気がするし、
もう一度旅行するなら?と聞かれても、
シンガポールは選びません。。。
タクミ says
ナイトサファリはおっしゃる通り。
暗い分見えにくいのですが、遠足気分で楽しいです。
これは、雨期になると日中は雨が多く夜はめったに降らないという気候上の理由によるサービスのようですね。
観光の方も、やはりリピーターが少ないせいで頭打ち傾向にあり、ディズニーランドの誘致やらを行うそうですよ
stella says
お帰りなさい、タクミ先生。
そうなんですよね~日本は、国民一人当たりのGDPでシンガポールに抜かれたんですよね。しかし、この事実は、政府の思惑により、あまりニュースになってないとのことです。
>この20年~50年後のシンガポールは、恐らくまっ>たく異なった姿となっているのではあるまい!?>と僕には思われます。
先生の視点って、面白い!私は、そんなこと考えもしなかったです。このまま成長か、またはこの状態の維持かと勝手に想像していました。
まあ、長い歴史を考えると、繁栄を続けるのは難しいからなあ・・
たしかに、いつかは悪いほうに変わる可能性もありなんですよね。
タクミ says
stellaちゃんハロ~!
>しかし、この事実は、政府の思惑により、あまりニュースになってないとのことです。
そうなの!?知らなかった。
>たしかに、いつかは悪いほうに変わる可能性もありなんですよね。
いや、そんなの早いって!
台湾も80年代末くらいに絶好調になったけど、90年代途中には完全失速
甘くないのよ。
そして、何より、土地としっかり結びついた産業は貿易くらいしかないことが厳しい。
金融なんてどこでもいいわけだし、観光も歴史が無いから本当の資源は無いわけだし。
まさに「薄氷上の発展」ですよ。
怖い怖い・・・