Takumi Blog

タクミな話

外連だらけで生きていきたいにゃん!

先日、スタッフルームでバイトの女の子に推薦図書を聞かれ(両店のスタッフルームには僕の読んだ本がおいてある)、「この人の本はけれんみないから僕は好かんな」「けれんみってなんですか?」「けれんみっていうのはなぁ・・・」などという会話になった。

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●はったりを利かせたりごまかしたりするようなところ。「―たっぷりの芝居」「―のない文章」(goo辞書)
語源まで言えば
●けれんみの「けれん」は江戸末期、歌舞伎で宙乗りや早替わりなど大掛かりで奇抜な演出をいった演劇用語から一般に広まった。
それ以前は、他流の節で語ることをいった義太夫の用語で、「正当でない」「邪道だ」の意味を含む言葉であったことまでは解っているが、語源は未詳である。
「けれんみ」が用いられるようになったのは近代以後のことで、「けれんみのない文章」というように「ない」を伴い用いることが多い。
なお、漢字の「外連」は当て字である。
ということだそう。あっ、そうそう。彼女には自分の知識で説明したのだけれど、後から一応調べ直しておいたのですよ。
そして、流れから知恵袋にも入っていたのだが、ここからがおもしろかった。
●「外連味がない」と書いてあったのですが、ほめる言葉ですか、けなす言葉ですか。
という質問に対し、
●ほめる程ではないものの、好感がもてるといったところでしょうか。
●「ほめる言葉か、けなす言葉か」、ということで言えば、「外連味のない」は8割方がほめ言葉と言っていいと思います。但し、やや特殊な使い方ですが、お芝居や映画の演出をやる人や、広告クリエイターが「外連味が無さ過ぎんだよ!」とけなしたり怒ったりしているところを何度か目撃していますので、前後の文脈を見てみないと、一概にどちらか、というのは決めにくいですね。
などという答えがあって、これに「??」と思ったわけです。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1232628607
まず、後半の回答について。
「やや特殊な使い方ですが」とあるけれど、これが普通の使い方だよね。
つまり、映画や舞台に対し「けれんみのない演出で・・・」と使い、それが「だから実直で好感が持てる」という意味で使われているのか、逆に「真面目なばかりでつまらん」という文脈かのどちらか。
けれんみがない、と言われているだけでは全くどちらを表しているかわからない。つまり、それ自体に善悪のない言葉である。確かに、どちらかというと、褒めている、つまり「けれんみ」自体を良くないニュアンスとして使われている場合が多いようにも思うが。
そして、僕が「??」と思った理由なのですが、僕自身は、創作的なものには「けれんみが強くないと断然おもしろくない」のです。小説や映画はもちろんそう。タランティーノみたいに、かっこつけて、何が始まるんだろう?と思わせて引っ張っていく手法が好き。つまりけれんだらけね。(でも、彼の作品は観た限りでは「パルプ・フィクション」以外は破綻までいっていると思うけれど)
さらに思い出したのが、僕が本を書いている時の、編集さんとのメールでの一コマです。
たぶんまだ文章にする前段階くらいでのこと。僕が「けれんみのある本が好きなので」というと、「著作はけれんですから」というような言葉が返ってきた。この言い切り!すごくかっこいいと思ったし、影響も受けました。「よしっ!『迷ったらけれんみのある方』という方針で書いていこう」と。
話戻して、この知恵袋の回答のかたが、世間一般での用法として「褒める意味が多い」と解釈しているのが間違えているわけではないけれど、「けれんみがない」は僕の中では断然「けなす言葉」だ。そういう華やかさのない創作ものにぜんぜん興味ない。漫画だと画風にたいがいそれの有無が出る。学習参考書だって、(僕らの頃の)寺田先生の「鉄則」や伊藤先生の「解釈教室」には、底流する華やかさみたいなものがあって、それを楽しみながら進められた側面があったくらい。あっ、相撲取りだと顔立ちにそれが出てて、けれんみのない顔しているやつはたいがい横綱・大関にはならないと思ってます。勝負事なんでね。
・・・っと、そんなことを、スタッフとの会話やネットの検索から考えました。

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