最後の一編は『王様と私』です。
これは、ミュージカルとしてはちょっと劣ると思うが、普通の紀行映画としてもなかなかに優秀なものではないでしょうか。
イギリスの気位高い女子が、異文化(シャム、今のビルマですな)の王様を、最初は野蛮なくらいに感じるが、実はなかなかに心のこもった立派な人じゃないか~と思い直し、ちょぴり恋心のようなものも通じ合うというお上品なお話。
なによりユル・ブリンナーの王様がいい。
表面的な善人に堕ちず、子供っぽい多感さをもった人物像を描き出しています。
一方ミュージカルとしてはやや古さも感じさせるが、でも「Shall we danse?」は超盛り上がるし、それ以上に劇中劇で演じられる「トム・ソーヤの冒険・シャムヴァージョン」というのがすさまじくおもしろい。
映画のオリジナルかどうかはわからないのだけれど、うわっ、こんな世界もあるのかいな、という感じ。西洋の劇を東洋の様式にぶち込むとまったく未体験のものに仕上がってしまった、というもので、これは是非みなさんにも体験してほしいな。それだけでも見る価値があると思う。
総合的には75点いくかな、というところ。
圧倒的に素晴らしい場面が散見するが、全体としては古めかしい上にちょっと長い。でも、品格が高いので後日の印象は高まってくる、みたいな。
全体としては絶対のおすすめとも言えないが、かの劇中劇がある分観てみて損はないよ、ってくらいです。
これにて古典ミュージカル集中編は終了。
いや~。ミュージカルって本当におもしろいですね。それでは、またご一緒しましょう。







