新型コロナ肺炎終息シナリオの根拠 2020/4/10 By Leave a Comment 非常事態宣言で「人と人の関わりを7~8割減らせば、2週間でピークアウトして、収束に向かう」と首相が述べたのが、この理論を根拠にしているのは間違いない。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57610560T00C20A4MM0000/ 北大の西浦教授の理論に、安倍首相がすごく関心を示したという記事も読んだ。 僕もこの理論を宣言のちょっと前に見て、おおっ!と思った。専門家の意見でありながら、根本の理屈は、文系的に理解できる(数学センス0なら無理)。 このグラフによると、2割の減少ならいくらも変わらないのに、8割だと、見事に収束を果たす。それがなぜだかわかるだろうか? 人と人との接触が、乗数で減じていくからだ。 誰かと誰かが合うはずの率を2割減らす、ということを繰り返すと、例えば3機会で 0.8×0.8×0.8 ほぼ0.5になるが、 それを8割減らすと、 0.2×0.2×0.2 その数値がいくらになるか? なんと、0.008 上の60分の1以下である。 これに安倍が食らいついた。 経済活動をシャットアウトしてしまうことは、それ自体の損失だけでなく、医療を含む様々な流通を止める方向となり、パニックや大疎開を引き起こす可能性もある。 全て丸く収まる、最高の方法と心に響いたわけだ。 しかし、そこには西浦教授が恐らく納得しない部分もかなり潜り込んでしまった。 多分最大のものは2つだ。 ひとつはもちろん、経済活動を維持しながら8割減なんて可能なのか、ということ。 これは僕もおおいに疑問というか、宣言を聞いた時でさえ厳しいと思ったが、その後の政府側の発言から、極めて困難と感じている。 だって、少なくとも業種を絞っての自粛要請と補償はしっかりとしていくのだろうと思っていたから。それなしでは、国民の意識中心で、となる。さすがに厳しい。 次に、その「最低でも7割」という言葉だ。 0.3×0.3×0.3はいくらになるのか。 0.027 8割減に比べて3倍以上にもなる。 もちろん、3機会ということ自体がイメージなのだが、この「1割の差」が、収束スピードでは「2倍もの差」になることは容易に想像できる。 自粛要請無しで7割減というだけで非常に難しい。なのに、もしもそれを達成したとしても2倍時間がかかる(そういう数字も出ている)。2倍なら何とかなるか、と思うなかれ。 宣言期限の5月上旬に、4万とかの数値で“実は”ピークアウトする。実は、なので、都民の多くは気づかず、納得せず、実は収束に向かう次の1か月継続に耐えられない・・・というのが現実的なのではないか。あるいは4万までに医療崩壊を引き起こす。 この理論に飛びついたのさえ「渡りに船」的。なのに、しっかりとその趣旨に従いもしない。僕は政治家を批判するタイプではないのだが、これではさすがに中途半端の誹りは免れまい。
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