Takumi Blog

タクミな話

パーソナルカラー・コーディネート・・・て?

b25f6107.jpg今年は大学の講義があったので、おかげで「いつかは勉強しなきゃ」と思っていたことをいくつか学ぶことができました
そのうちのひとつが今日取り上げる「パーソナルカラー・コーディネート」です。
メイク理論のメインに用いている方もいらっしゃるくらいなのにナンですが、僕はこの理論はちっともピンと来なかったというのが本当のところ。
そう思った理由の大きなものが、専門学校で授業を受けた時に、「肌と、目と、髪の色で判断しろ」と言われたけれど、肌も目もほとんどみな変わりはなく、違うと言えば毛染めで赤や金になった髪の色ばかりで、「なんのこっちゃねん!?」と思ってしまったからなのです。
さて、この度は、本を2~3冊読んで調べてみたわけですが、ひとことで結論を言えば「やっぱ、メイクにはほとんど関係ないな」ですね
まず、色彩学の分野で、パーソナルカラーに大いに関連があるのは「色彩調和論」という理論です。
自然界で、光があたる場所と日陰とで、前者が黄味に、後者が青味に偏るように、「それぞれの色に暖色系と寒色系がある」と喝破したのはアメリカのビレンさんでした。その後、そのイエローベースカラー群とブルーベースカラー群をそれぞれ2つにわけ、四季の名前を与えて4つのグループに分けたのが、今日よく知られるところの「四季の分類法」です。
それは最初インテリアの色の決め方などから利用されたものでしたが、20世紀半ばになるとファッション・コンサルティングに応用しようとする人たちが現れ、ケネディがニクソンを破った選挙時に成果を上げたことから世に知られることになりました。
そして、1980年代に「あなたにお似合いの色を見つけます」という斬新なキャッチフレーズとともに日本に輸入されたわけですが・・・
はっきり言って、初期のアメリカ式カラーコーディネートは日本で惨敗したようです。
だって、人種モザイクの国でこそ存在した、肌や髪や目のダイナミックな差が、日本人には全然ないんだもの。あったりまえ~
そして、僕が1995年ごろ専門学校で習った理論も、まあこの時期のものだったわけですね。
しかし、そこは凝れることでは世界に冠たる日本人。
何とかかんとか工夫して、日本人にも商品価値のあるカラーコーディネート理論に根性で改編してしまうところがすごい
肌や髪の色以外に、顔立ちや、さらにキャラクターをも判断要素として、「こういうタイプの人は春(夏・秋・冬)イメージである→こんな色群が似合う」と決め付けた!
さらに、日本人に差が小さいので、春と秋の間くらい・・・ということも当然ありえる代わりに、「明るめが合う(明度)」「鮮やかなのが合う(彩度)」など、四季分類以外の要素もアドバイスすることで、却って従来よりも多くの知識を持って帰ってもらおうとした。
・・・というわけです。う~ん、転んでもただでは起きない!
しかし、こうなると僕にはひとつの疑問がむくむくと浮かんでくるわけですが、まあそれはもう少し先延ばしにして、さらにお話を進めましょう
そうやって、あなたには「こんな色相(色の種類)で、こんなトーン(明度やサイドで色を括った各グループ)のグループが似合います」となったら、それで終わりかというと、次にはその「配色」を知らねばファッションの役には立ちません(もちろん「診断」までなら、そこで終わりなんだけど)。
インテリアと同じですね。
ところが、その配色法には、同一・類似・対照の2種がある。すなわち、同一色相配色、同一トーン配色・・・と掛け合わせ6種のパターン(正確には7つらしい)がある。さらに、その面積比によってイメージは変わるし、セパレートカラーと言って、合いにくい色同士でも無彩色を(国旗みたいに)間に挟めれば使えるというテクもあるらしいのです。
さあ、このあたりで、先ほど僕が言っていた「むくむくと浮かんでくるもの」の正体も、もう充分に明瞭になってきたのではありませんか?
つまり、「あなたにはこんな色が似合います→こういうコーディネートパターンがベストです」というような流れで、ファッションを絞り込めるプロというもの自体が、僕の想像ではほぼ全くいないだろうということ、これはそれくらいに複雑な理論であるということです。
フォーシーズンのグループ色の中だけなら、どなたか超優秀な専門家が、その代表的な配色をイラスト等にまとめておいて、みなが利用するという方法もあるけれど、日本人の場合は、似合うとされる色自体を、フォーシーズンをまたがってあっちこっちのトーンから持ってくるため最終的には独自のグループを作るので、その配色パターンは、各コーディネーターがオリジナルで考えなければなりません。そんなん全然無理やろう~!
いや、パーソナルカラー・コーディネート理論がまったく無意味だと言っているわけではないですよ。それらを自分なりに取り入れて血肉と化し、「こういうタイプの人には(色も含めて)こんなコーディネートが似合う」という必勝パターンを持っているスタイリストさんは世にいっぱいいらっしゃるでしょう。
でも、我々が「医者なら病気を治す術を持っているだろう」的に、「自分に似合う色を判断することから、ベストコーディネートを見つけ出すアルゴリズム(計算手順や処理手段)がそこにはあるだろう」と思ったら、それはほぼ完全に裏切られると言っていいと思うんです。
だいぶ理屈っぽくなってしまいました。すみません
ものすごく簡単にまとめれば、パーソナルカラー・コーディネートのサービスをお受けになることは、ご自分に似合う色についてなんらかの知識につながることは間違いないでしょう。でも、次に紹介されるコーディネートパターンは、全然参考にならないか、もしそれがすごく有益なものだったとしたら、それはそのコーディネーターさん個人のセンスによるもので、カラーコーディネート理論から理詰めに求められた結果では全然ないでしょう・・・ということです。
次に僕の本職のメイクアップとの関連ですが、長くなったので次に回したいと思います。
ただし、すぐ次かどうかは気分次第ということでお願いしますね
(左写真は、上から各、春・秋・夏・冬のカラーグループです)

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