前回、ソナタの解説でピアノソナタ曲を紹介したので、このままピアノソナタを取り上げようと思います。
ソナタの主なジャンルに、交響曲と、協奏曲、室内楽の○○奏曲(メインは弦楽四重奏曲)、ピアノソナタがあるということでした。このうち、交響曲の王様は誰?と問われれば、言うまでもなくルードリッヒ・ヴァン・ベートーヴェンとなる。では、ピアノソナタの王様は誰か? 答えは、やっぱりベートーヴェンなんだな、これまた。すげえ男でしょ!?
ついでに言えば、協奏曲でもベートーヴェンはワン・オブ・トップ。弦楽四重奏でも圧倒的王位に君臨している。彼こそはまさに「ソナタの王様」なのだ。
ベトのピアノソナタで有名なのは、第8番『悲愴』、第14番『月光』、第23番『熱情』が3大ソナタ。それに第17番『テンペスト』、第23番『ワルトシュタイン』、第29番『ハンマークラヴィア』を足して6大ソナタとするのも定番だ。
このうち、3大は皆、聴けばああこれかと思い、残りはちょっと馴染みがないといったところだろうが、僕は『ワルトシュタイン』の第1楽章が特に好きかな~。
なんかね、男らしさの象徴みたいな曲なんだよ。
もちろんベトの曲は基本男っぽい。でも、『運命』のように男×ワイルドや、『英雄』のように男×威風堂々という方向であって、男×ナルシズムという方向のものは少ない。それはつまり彼自身があまりいい男ではなかったからだと思うんだけれど(笑)、この『ワルトシュタイン』には彼としては珍しく濃厚なナルシズムがあって、それが聴き手を萌え~っとさせるのだ。
CDはポリーニのこれが、『ハンマークラヴィア』以外の全てと、それ以外の有名曲を含み、最も勧められるものと言えるだろう。
●ベートーヴェン ピアノ・ソナタ集~悲愴、月光、熱情、テンペスト、ワルトシュタイン、告別、他 ポリーニ(2CD・2011年発売。1390円で購入可)

このマウリッツィオ・ポリーニという人は、間違いなく現代ピアニスト最高峰の一人なのだけれど、おじさんたちには精神性が足りないと言われ、過激好みにはつまらんと言われる、非常に半端な位置にいるようでもある。僕も彼の協奏曲はいいと思ったことがあまりないが、でも、ショパンと違ってベトのソナタはあんまり無茶な演奏も向かないから、結局、テクよし、音よしのポリーニ盤が一番満足できると思うのだ。







