昨日のロンドンオリンピック、男子200メートル平泳ぎ決勝。
日本人同士での3位争いとなり、ゴール手前で立石諒選手が北島康介選手を抜き去って銅メダルを獲得した。
僕の持論では、「ナンバーワンだった選手で、もう自分はトップではないかもと思っている者を代表に選んでもろくな結果にはならない」。
北島も前のオリンピックでは、準決勝後のインタビューで、「あいつも、え~、誰だったかな、あっ、ハンセン」と、ライバルの名前を忘れてしまうほどの“勝負師自己中モード”にいたが、その後、新しいライバル、ダーレ・オーウェンに大きく差を付けられる時期を経て、「オーウェンは僕にとっても目標」などと話すようになった。
大会を前にしてのオーウェンの急死で、再び金メダルの本命に戻った彼だが、やはり、一度失った勝負師独特の思い込み状態にマインドを持っていくことは無理だったようだ。
自らを逆転してメダルを得た立石を隣のレーンから祝福した北島は、インタビュー後にも、立石の肩を叩いて声を掛けてからカメラ外に去った。おそらく、「あとはメダリストにバトンタッチだ」的なことを、彼一流の軽妙な表現で言ったのではないか。
そして、立石のインタビュー。おめでとう、ありがとうの後で、「ずっと背中を追い掛けてきた北島選手を抜き去っての銅メダル獲得ですね」とインタビュアーはドラマ作りを狙う話題を振ったが、立石はそれに一切付き合わず自分の泳ぎについてのみコメント。
さらに、「みなさん金メダルを期待していたでしょうが、残念ながら今はこれが自分の力です」と、ちょっとトンチンカンな言葉まで続けた。
ふふふ。いいねぇ。そうこなくっちゃ。
これこそが“勝負師自己中モード”に入った姿だろう。
これくらいでなければ、オリンピックという大舞台での好成績は難しくなる。
僕には泳ぎのことはわからないから、立石選手の運動能力的ポテンシャルはわからない。
しかし、選手の一方の素質である、精神面でのポテンシャルを彼が充分に有することは、今回のインタビューでわかった。
少なくとも現段階では、彼はそういう心を持っている。
200mを泳ぎ切るそのゴール直前。勝負師としての心を失った者を、それを持つ者がギリギリで抜き去って行く・・・
まさに「世代交代」を体現したレースだったと言えるだろう。








