Takumi Blog

タクミな話

原辰徳という男

V3先日巨人軍がセ・リーグV3の優勝を決めました
セ・リーグの3連覇は、あのV9以来らしいですが、今の巨人は、僕はずっと見て来ていますが、まさしくV9時代以来の強さだと思います。まあ、他球団との相対的戦力でということになるでしょうが。
そして、なぜ今の巨人が強いのかというと、これはひとえに、原辰徳監督の力量のために他ならないと、僕は思っています。
外国人選手など、外様による補強は、ここ最近で今がとりわけ分厚いわけではありません。
では、何が違うのか、というと、それは「生え抜きの若い選手を育てながら戦っているから」であると言えるでしょう。
その仕組みは画期的です
まず、キャンプから(多分去年くらいからです)1軍と2軍の枠を取り払い、「全員がひとつのチーム」という形を作ります。
そして、これがすごいのですが、2軍から上がってきたばかりの選手を、すぐに、スターティングメンバーなど重要なポジションで使うのです。
それがどう良いかというと、2軍から上がった選手というのは、まさに今「絶好調の状態」なわけですから、使うと結果の出る可能性が高く、それが自信につながります。
また、それ以上に素晴らしいのが、2軍の監督やコーチの眼力が問われるので、いい意味でのプレッシャーになり、そして、2軍選手が1軍昇格を目の前に意識しながら練習することにもなることです。まさに「2軍までのひとつのチーム」が形成されるわけですね。
そうやって、去年の坂本選手、今年の亀井選手や、東野投手が主力選手へと育ってきました。
それは、長嶋監督も含めて他の監督の時には(あるいは第一期の原監督の時にも)なかったことなのです
・・・とまあ、この辺りのことは、ある程度言い尽くされた感もあるもので、これだけなら、僕も「原辰徳という男」という題にしてまで彼をピックアップしなかったでしょう。
それよりも、今回は、読売新聞に寄せられた手記で、彼が、完全に今までの殻を破ったスタイルを見せているので、そちらを「驚きをもって」紹介したかったのです。
原監督は、中日に過去4年間勝ち越していないことを踏まえ、今年最初の対ドラゴンズ3連戦を前に「中日戦で活躍しない選手はレギュラーとして認めない」と言ったそうです。しかし、その思いは、ペナントレースで優位に立つことだけを考えたものではなかったようです。
ここからは引用します。
「WBCに中日の選手は一人も出場しなかった。どんなチーム事情があったかは分らないが、日本代表監督の立場としては「侍ジャパン」として戦えるメンバーが中日にはいなかったものとして、自分の中で消火せざるを得なかった。野球の本質を理解した選手が多く、いつもスキのない野球をしかけてくる中日の強さには敬服するが、スポーツの原点から外れた閉塞感のようなものに違和感を覚えることがある。今年最初の3連戦、しかも敵地で中日に3連勝出来たことは格別の感があった。」
そうやって、強い巨人が形成された結果、周りから天王山と言われた8月の3連戦では、「ここが天王山だというつもりは全くなかった。もう手綱を絞る必要さえなかった」と、本人は余裕の心境で3連勝を果たしたそうです。
この前半部。
これは一監督の(他)球団批判という異例のものです。
野村監督のような「ご意見番的なオヤジ」ならまだしも、原監督のように監督としては年弱で、またさわやかなスポーツマンであることを代名詞にしてきた人の発言として、僕は本当にこの手記には驚かされました。
日本代表たる選手がいないチームに、代表優勝監督である自らが率いる巨人軍が敗れるわけには絶対にいかない!
そういう、いつもの穏やかで爽やかなマスクに隠れた、ドロドロの意地が、言うならば「私怨」のようなものが、今年の原監督を突き動かしていたということです。
もう、ホンマに泣ける~~~!
男ってのはこういうもんやろ!!!
そして、彼は、この思い切った手記を公開してしまったことで、さらにまた一皮むけた存在になるのではないかと思う。
これを送ったときに「え~い!送っちゃえ!(あるいは、OK出しちゃえ!)」という思い切りの瞬間があったはずです。
僕なんかも経営者として、そういう「目をつむってエイ!」みたいな瞬間があることはよく分かる。
でも、その一瞬に、なんか自分自身に期待もしているのです。
「これで俺は新たなステージに入るんだ」というような期待を。
あっ!それに比べての落合監督のコメントがまた情けないものなんやった!
「(レギュラーシーズン優勝が)取れなかった。それだけ。これから本当の闘いが始まる。CSの準備に取り掛かる。(以下略)」
勝ったチームを称えられない心の狭さもありますが、僕がこのコメントを情けないとまで言うのは別の理由からです。
今のペナントレース(レギュラーシーズン)→CS→日本シリーズという形式は、メジャーのように、各地区入り混じってリーグ代表を決めるわけではないから、どうしてもペナントの価値が下がり、リーグ優勝者は「ペナントを取ったチームか?CSを勝ったチームか?」わからない印象になります。
もちろん、本当はペナントの方なのですが、そう思われなくなるのが、今のシステムの「悩み」なのです。
言いたいこと分かる?
つまり、日本プロ野球自体への思いやりや愛情があるなら、落合監督の発言には絶対に至らないはず・・・ということなんだな!
そうでしょう??
長くなりましたし、話を原監督に戻しましょう。
もちろん、CS→シリーズと、巨人が勝ち進んで日本一を奪回することを、僕は1ファンとして望んでいます。
でも、それが実現してもしなくとも、僕は、これからも原監督には、色々と男の夢を見させてもらえそうです。
選手時代の何倍も男気を見せてくれるようになった原辰徳監督。
これからもいつものさわやかな笑顔と、そしてその底に潜む男の重~い意地を見せ続けて欲しいものです

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