『ローマの休日』と『プリティ・ウーマン』を足して割ったような作品。
しかも『プリティ…』では拾われた売春婦役だったジュリア・ロバーツが、王子役のほうを本作では世界的な人気女優として演じるわけで、その段階でなかなかにあざとい。

ノッティングヒル

人気の秘訣は、「終わりよければすべてよし」が一番だろう。
ありがちなラストのクライマックスは、しかし、どうしてもロマンティックな気持ちにさせられるパターン。
ベタでもなんでも、これは仕方ないのだ(笑)

いわば”反則”のラスト以外は、これまたありがちな物語が、しかも若干緩みながら展開する。
しかし、サブで繰り広げられる友人たちとの会話の秀逸さが、実はこの作品の隠れた素晴らしさだろう

中年に差し掛かった年齢の友人が集まり、相手の失敗や弱点を抉るような会話が繰り広げられる。その辛らつとユーモアは、欧米の中でもイギリス人ならではの懐の深さではないか
チクチクと痛いところを付かれ合いながらも、そこに通底する愛情とユーモア至上主義で素敵な飲み会に昇華していくさまは、いかにも都会的でかっこいい。

そしてラストのクライマックス直前。ロバーツを”振った”ヒュー・グラントに対し、それぞれの言葉で別れの肯定合戦をする中、プレゼントのシャガールが本物と判明したことと、空気を読めない同居人の「バカじゃないか?」との言葉でが場が一転。「お前バカだろう!」となり、全員で彼女を引き留めに走る。

クールで都会的な仲が一気にホットにほぐれ、友情の素晴らしさがあふれんばかりに迸るこの場面が実は一番素晴らしいんじゃないか、とも思うが、それでもやはり、その直後のラストの”反則的魅力”にかき消され、印象が薄れて行ってしまうのは皮肉。
人間(僕も含めて)単純なものである83点

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