最近読んだ本で一番おもしろかったのは、高野和明著『ジェノサイド』。

主な舞台は日本のある大学生、アフリカ・コンゴの一集落、そして合衆国大統領のそれぞれの周辺3か所なのだが、こういうことを日本の作家がやると、なんか背伸びしているというか、却ってちゃちいものになってしまいがちだ。
ところが、この小説は「翻訳ものかしら」と思うくらい本格的に仕上がっている。
つまり、ハリウッド映画の真似をした日本映画が、それをきっちりやりきったような、そんな感じなんです。
これには素直に驚いた。
内容はハラハラドキドキの冒険もの。
最初のちょっと退屈なところを抜けると、あとはもう「どうにも止まらない」おもしろさだ。
製薬に関する描写が詳細に過ぎるのはちょっといただけないが(もし皆さんが読むならそこは読み飛ばしてしまって全然かまわない)、それ以外には読者を飽きさせるところがない。
同じ作者の「13階段」も読んだが、ここからのレベルアップは、もうすさまじいくらい。
今調べたら、2作の間には10年の歳月が挟まるようだが、いやはや、人間というのは10年でこんなにも進歩できるものなのか。
ただ、日本人の「ジェノサイド(大量虐殺)好き」もしっかり訴えたかったようだけど、こういう説教くさいことを一緒にやらずにはいられない性分はどうしたものかと思う。
これほど純粋に面白いものをかける人なのに、と、なんやらもったいない気もするな。
アジア人に対してジェノサイドをしてきた日本人としての罪の意識も相当あるようで、本作中の主要人物のうち、韓国の留学生は最高位の人物として、日本人の傭兵は最下位の人物として描かれているが、これがまた、ネット上で猛烈な批判を受けているよう。
またぞろ、例の「嫌韓キチガイ」たちね。
僕は読んでて全然気にならなかったけど、こういう人たちはもう、「韓」の文字を待ち構えているとかの感じなのでしょう。
女子読者が多いブログで冒険もの薦めてもなぁ・・・とすぐには取り上げなかったのだけれど、このおもしろさはなかなかのもんです。
性に合いそうなかたはぜひどうぞ。






