Takumi Blog

タクミな話

もぐらは苦しい悲鳴を上げる

この前読んだ本の著者が、「ベストセラー本なんていいわけがない。普段読んでない人が読む(読める)からベストセラーなわけだから」ということを言っていました。もちろん、前から多少なりその通りとわかってたけれど、最近、それが「いかにも」と言わざるをえない本たちにいくつかぶつかってしまったので、今日はその話を。
『もぐら』(矢月秀作著 中公文庫)はシリーズ累計100万部突破とかで、書店でよく見かけ、前から気にはなっていたもの。この度タイミングが合ったので手に取ってみたが、読んでみてビビった。

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ひとことで言うと「Vシネ」の世界なんだな。過激なアクションが盛りだくさんで、しかも低予算みたいな。
ヒーローは弾丸雨あられの中でも死なないし、ビル内の悪党全員殺すし。こんなに非現実かつ前近代的でいいの?人間ドラマも浅くて臭い。
しかしまあ、なんだかんだと全部読んでしまった身としてはあまり強いことも言えないのかもしれません。
Vシネの夜中についつい観てしまうレベル。いや、正月の夜中に限って観てしまうレベルかな。
もちろん、シリーズ物は絶対にもう続けて読みたくないですけど。55点
ただ、作者はさまざまな職業を経た後、小説家に転身するもなかなか売れず、官能小説まで手掛けていた苦労人で、この「もぐら」には当時の「なんで売れへんねん~!」(兵庫県人だそうで)という怒りも挟み込まれてしまったとか。
浅く安い線で売れたにすぎないものとはいえ、仮にも文芸の世界でヒット作が出てよかったなぁとは思ってしまう。
この先もう少し重厚なところにシフトできるかどうか。
そこが勝負だと思うので、生意気ながら頑張ってほしいです。
次はこれ、『うれしい悲鳴を上げてくれ』(いしわたり淳治著 筑摩書房)。
ブックファーストのベストセラー棚で、確か文庫の第4位となっていて、普段読まない感じだし買ってみました。
ショート・ショートとエッセイを20ずつくらい収録した内容なのですが・・・

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ほんと、ひっさびさにしょーもないもん読みました。なにこれ?
おもしろくも、かっこよくも、感心するところも、なにもない。
文章力もレベルに達していません。
これを喜んで読む層がいるのか、と衝撃を受けさえしました。
ショート・ショートは星新一を10代で少々読みましたが、それ頃からはや3~40年。
このような退化したものがいま出回る価値がどこにあるのでしょう?
作者は元SUPERCARというバンドのメンバーらしく、その後も音楽プロデューサーなどで活躍。特に作詞の方は、かなりの成功を収めているようです。
しかし、著作はやめといたほうがいいのではないかな。
けれん味が絶対的に不足している。ちょっとものを読む癖のある大人なら、絶対に満足しないレベルのけれんしかないのです。
もちろん、著作での成功とは何ぞや、と言った時に、この「もぐら」よりもさらに浅い層に対してヒットするのなら、それもまた成功と言えないことはない。しかし、これではあまりに・・・アホ専でしょう。30点。
最近も、いっぽうでは良書にいっぱい巡り合えてもいます。
その話はまた後ほど。

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