Takumi Blog

タクミな話

齋藤薫さんの・・・?

hitowo齋藤さんの本、終盤はぐっと密度が増していきます。
マザー・テレサのハンセン氏病患者救済活動を取り上げ
「マザー・テレサは、ハンセン病に苦しみ、行き倒れになっている多くの人々を自らの施設に運んで、その死を看取った。(中略)患者の手を握り、その体をやさしく抱擁した。ただその人たちを心穏やかに死なせてあげるためだけに。」
「じつは時々、その光景が目に浮かぶ。そして時々、自分とこの人のとてつもない差を思い浮かべる。誰が立派で、誰がスゴイ、素晴らしいと言っても、マザー・テレサの行為に勝るものはなく、女性の生き方を語る上でも、この人の生き方以上に美しいものはないのではないか。そう思うから。」
「食べること、着ること、楽しむことへの欲望を、未だ何一つ乗り越えることができない自分が、マザー・テレサの“人間愛”をまぶしく見つめ感動する・・・、それ自体、気が引けてしまう。それくらいの距離のある、同じ人間として生まれたことが不思議なくらいの“差”。(中略)せめてせめて、その“絶対の差”を噛みしめて、自分の小ささを思い知らなければいけない気がしてしまうのだ。」
と、まっすぐな“告白”をした後、ユニセフの親善大使を務めながら豪華に着飾る黒柳徹子に話は及び、多分世の中に“初出”の「ブランド信仰批判」を展開します。
「日本のブランド志向はおかしいと指摘したある外国人は、その理由としてこんな話をした。
「ブランドものというのは、チャリティに取り組めるくらい身も心も豊かになった人にこそ映えるものなのに・・・」
何かで胸を突かれるような思いだった。(中略)未成熟な女の身体の上で、ブランド物はなぜ違和感を持つのか、その理由をこれほど端的に、これほど残酷に言い当てる見方はないと思ったから。
もちろん、ブランド物をもつのに資格などあるはずもないが、その基準には、一定の真理がある気がした。物質的な豊かさを手にした時、慈善的なアクションを起こすかどうか、その一線を越えるかどうか、そこで豊かさが大きく二分される。(中略)ブランドものが映えるのは、そういう意味での内面の豊かさがともなった人だというのは、本当に、なるほどそうかもしれないと思うのだ。」
そして、“世界の医療団”のように身体を張って貧しい人の命を無償で助けることを、あるいはそのさらに上位に置きながらも、
「“人の役に立ちたい”という境地にたどりつけるかどうか。“その一線”を超えるか超えないかの違いは、とてつもないものがあること。身体を張るにせよ、お金だけで済ませるにせよ、その一線を超えないと絶対に生まれない、尊い女性美があることを覚えておくべきだ。」
と続けています。
これは、恐らく“物質的な豊かさ”を手に入れてしまった齋藤さんが、その居心地の悪さと一生懸命に向き合った結果たどりついた「境地」なのでしょうね。
そして、ここでそういう宣言をしてしまったからには、今後も、彼女は豊かである限り、そういう慈善的な行為を避けては生きていけないわけで、同時にここでその「覚悟」を宣言してしまったということでもある。
う~ん。。。
気張ってますね~
しかし、なんか“不幸の手紙”のようでもあるよね
これを読んだ人で、豊かかつブランド志向の人は、もうボランティアか寄付をしないとブランド物を着るのに居心地悪くなってしまうという・・・。
自分がそう決断したからには、これを読む人も巻き込んじゃえ、みたいなことに、結果としてなってしまってるような
そして、同じような「濃ゆ目」の項をふたつ挟んだ後で、本書の結論を、
「人を幸せにする人が、いちばん幸せ。そう気づいた時、人は初めて楽になる。それは生涯終わらない目標を見つけることにほかならないから」としています。
なんか、結構「取れたてフレッシュ」な齋藤さんの告白本のようなものだったみたい
最後のほうは、高邁な気持ちに包まれて一気に書いちゃったのかもしれないな。
でも、それはそれでいいんじゃない?
そうやって、ちょっと気張りすぎたような本を著しちゃったとしても、今度はその結果として自分が新しい境地に入っていけるのであればまた良いこと。
人生って、そういう“柔らかい”ものであると、最近思うのです。

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