90年代から00年代にかけてラブコメ映画が多かった。その代表作をいくつか見るも『プリティ・ウーマン』のレベルには至らず・・・。「これで最後」と思って本作を見たが、ついに当たりが来た!
クリスマス直前の10組近くの恋愛模様を描くが、よくもまあ、これほどの多くのカップル・男女を扱っていて間延びさせないものだ。それらが巧妙に絡み合う部分もあるが、絡み合って混線させるわけでもない。見事である。
見事というと役者がそろって芸達者。イギリス映画は“狭く”て同じ役者ばかり出ていることが多く、今回もよく見る連中なんだが、ほんと好き!
コリン・ファース、ヒュー・グラント、そしてスター・ウォーズのリーアム・ニーソン。
スネイプ先生ことアラン・リックマンも出ているが、錚々たる面々の中でもひときわ目立つのがビル・ナイという変なおっさんだ。
ハリー・ポッターではいまいちで、僕が覚えているのはアバウト・タイムのお父さんの方。よく眼鏡をずらして写真に写っていて、そっちが気になってたけれど、これほどの役者とは!
まさにイギリスのバカ。露悪的でパンクで、もうジジイなのに色っぽい。思い出しても涙が出るくらいに、つまりかっこいいのだ。

スクリーンではあまり目がいかない女性陣では、エマ・トンプソンが難しい役どころを見事にこなしていた。ハリーではトレローニー先生のはっちゃけぶり、普段のスナップは垢ぬけている・・・と、これは憧れていい女性ではないか。
役者の話ばかりになったが、最初に言ったように作劇も本当に素晴らしい。
ヒュー・グラントのダンスには爆笑したし、最後のコリン・ファースの恋も、結末わかっているのに涙腺崩壊した。
おっさんの純情っていいよね。そして、イギリスのおっさんは最高によい!89点

