90年代を代表するジャンキー青春映画。
それこそ90年代の終わり頃に観て以来の2度目(か3度目)の鑑賞だったが、正直前回よりもだいぶ「落ちて」しまった。
一つにはやっぱリピートの難しさ。そしてもうひとつは、時代や年齢的なものだろう。
ボロボロのジャンキー映画だから描写がえぐいのだが、それが今の時代もしくは今の自分に結構厳しい。この20数年の間にも人命はさらに失われにくくなり、衛生観念はコロナもあって跳ね上がった。うわっ、汚ねぇ・・・って思うさまが、昔とはもう違ってしまう。
最初に観た時は30代だったはずで、青春の苦しみとより近かったのもあろう。いや、自分はそういうところあんまり進歩しない人間だし、今も青春の苦しみのさなかのつもりなんだが(笑)
とにかくちょっと”ショック”を受けてしまった。
もちろん十分におもしろいのだが、この年代を代表する映画、とまで記憶されていたことに比しては、だいぶと評価を下げてしまい。。
しかし、監督ダニー・ボイルがセンスの塊であるという感は、いささかも減じはしない。
特に印象に残るのは、ディスコ(なのかな)で、男女それぞれ3人が恋バナしかしていないのに、両グループが接近して、女子「何の話してるの?」男子「フットボール(サッカーのこと)! そちらは?」女子「ショッピング!!」というやり取りとか、不動産屋でサラリーマンを始めた主人公が、自宅に住みついた友人二人を持て余して空室に突っ込んでいたところへ内見が入り、二人が押し入れから飛び出してくる場面など。
なんてことはないカメラの高さなんかが絶妙で、これはもうセンスとしか言いようがない。日本だと中島哲也とか、韓国のパク・チャヌクとか。そういう種類の才能の、しかも特級レベルだ。
ユアン・マクレガーもこの時が一番いいけれど、それ以上の怪演はロバート・カーライル。彼はその翌年に『フル・モンティ』で痺れるほどの演技をしている。なかなかに得難い種類の役者だろう82点

