1977年制作、アカデミー賞などを獲得したウッディ・アレンの代表作。ロマンティック・コメディということになるのだろうが、なかなか前衛的で掴みどころのない作品だ。

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共演は公私にわたるパートナーでもあったダイアン・キートン。中年に差し掛かった男女が、ニューヨークで大人の恋をし、相手への不満を貯めて時に離れ、別のパートナーを見つけるも飽き足らずにまたよりを戻す・・・を繰り返した後、ついに破局するという、そこらへんによくありそうな(日本人なら希少だろうが)話にすぎない。

しかし人の真実に踏み込む知性と、手の込んだ演出で、それを退屈させない以上に仕上げたのは、まさに彼が”鬼才”と呼ばれる所以だろう。

こういう「値打ちもクソもなく相手を求める恋愛」こそが、真に値打ちのあるものなのだと僕は思う。常々そう思っている。
運命の出会いだから素敵なのではない。人が本性的に求める、仕方がなく生まれたような関係に、気づけば美しい思い出の華や、共通の夢が生まれてしまう。だから素敵で感動的なのだ。
もちろん美意識は人それぞれ。でも、僕はそっちが好きだ。72点

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