不世出のロック・シンガー、エルヴィス・プレスリーを描いた最新作。評価もよく、大いに期待して観たが、まずまずと言ったところだった。

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序盤の、名優トム・ハンクス演じる”大佐”がエルヴィスを見出す場面は震えるくらいに良い
彼の信念は、最高のエンタメとは、その真新しさなどから観衆が「楽しんでよいのか戸惑う」ものだ、ということ。
黒人音楽に慣れ親しんだエルヴィスのパフォーマンスは、キレキレのリズムと、ソウルフルな官能性で全くの新しさを現出させ、観客は「楽しんでいいのか戸惑って」結果熱狂を産むのだが、それが余すところなく表現されており、その場面のみ後からリピートして観てしまった。

しかし、残念ながら、それ以降でこれに匹敵するほどの場面がないのだ。

中ではやはり、ベガスで作り上げられた彼の舞台そのものか。
恐らくかなりリアルに再現されたのであろうそれは、明らかに『ボヘミアン・ラプソディー』以降の作品と位置付けられよう。こういう技法はしばらく続くんじゃないかな。
そして、元ネタ自体が飛び切りなので、結果再現場面も素晴らしいものになる。

後はやはり、エルヴィスが”大佐”に搾取され続けていて、そのために世界に羽ばたけなかったという衝撃の事実を告発したことの意義か。しかし、ファンでもなければ、映画を観る者にとってそれで感動が増すわけでもないのだ・・・。80点

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