カンヌのグランプリと米アカデミー賞の作品賞を取り、今最も観られている韓国映画と言ってよいもの。
確かにおもしろい。
そのアイデア・コンセプトがまず良いし、詐欺一家がもうひと家庭登場したシーンでは思わずのけぞってしまった。演者も、主役のソン・ガンホだけではない。
詐欺師一家の娘さんやお母さんの、パラサイト時と半地下人種時とのギャップ=” それなりな感じ”は本当にレベル高く、メイク屋としても感心してしまった。そして、この娘さん、パク・ソダムという女優が、結構なブスだなぁと思って見始めていたのに、途中からすっかり美人に見えてしまうのは、僕自身詐欺られてる?(笑)
問題は後ろの3分の1くらいだ。
金持ち一家のお母さんが、日本なら北川景子かという美人なのだが(まあ、韓国にはある事情からそういう美人多いんだろうけど)、旦那さんとソファーでことに及ぶシーンの描写がかなりエグイ。
最後のグッサグッサいくシーンも含めて、こういうの、本当に必要なのだろうか?
それがあるからこそ格差社会への批判映画になり、カンヌが取れるのかも。でも、失うものも大きいと思う。
小さい子に見せられなくなる。家族で観るのが難しくなる。
それでも賞を取りに行ったのか、あるいは作劇場必要と本当に思ったのか。
大人の僕が観るだけとしてもどうだろう?
洪水で半地下がむちゃくちゃになる場面はあっていいと思うけれど、濡れ場とグッサグッサは無かったり、もう少し穏やかな方が好きだし、他に持って行きようもあったと思う。
そういう意味では残念な映画。途中まではかな~りおもしろかっただけに。
85点
