『エリザベス』の続編。前作より少し落ちる

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素晴らしいのは、前作同様の重厚感や美術。演技が空々しくないことは特筆レベルで、メアリー・スチュアートの罪が暴かれる場面など、観たこともないようなリアリティであった。
また、前作では気になった、過激な性描写がなかったことにも好感(笑)

では何が落ちたかと言うと”ドラマそのもの”かな。
前作はエリザベスが過酷な境遇を乗り越えて、「処女王」のスタイルを確立するまで。対して本作は、スペインの無敵艦隊・アルマダを破って、平和な治世「ゴールデンエイジ」を迎えるまでで、これも十分にドラマティックなはずだが、彼女が腹を括って英雄になる成長ストーリーが、予想していたよりもはるかに薄かったのが最も残念なところか。

直接的にきっかけになる描写は、星占いの先生に、「嵐の中にあって、人の選択はそれぞれだ。泣き惑うか、逃げるか。そして大きく羽ばたくか」のようなことを言われて、よし、最後ので行こう、とほほ笑む場面くらいしかない。
ここはやっぱ、メアリーの処刑の残忍さを乗り越える瞬間とか、ローリーとベスの裏切り(?)をついには俯瞰できた姿とか、色々なシーンによって描いていくべきで、前作はそういう作りだったと思うのだが。

もちろん、十分な満足感を得られる映画であることは間違いない。75点

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