この度観た韓国映画の3作目だが、その中でも本作は骨太そのもの。悲惨な自国史を取り上げながらエンタメとしてもがっちり成立させている。

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実話を基に、しかし脚色もしっかりされているよう。まあ、その辺は遠慮ない(笑)
ソウルの貧乏タクシー運転手が、法外な好条件で外国人記者を光州まで乗せていくが、ソウルには光州の実情が伝わっていなかった。
彼らが行きついた先は、光州事件の前夜。いや、序章といった段階か。軍政からの民主化に対する反動が引き起こした自国民への凄惨な暴力が、ハリウッド張りの迫力で描かれていく。

タクシーでソウルに帰る途中での、軍とタクシー運転手たちとの派手なカーチェイスはさすがに批判を集めているようだが、そんなだから日本人はダメなのだとも思う
韓国の作品には、やりすぎるくらいのサービス精神・迫力がある。対して日本はネガティブに縮こまっている。ちょっとした”粋”で逃げようとしているが、黒澤の頃のように、もっとまっすぐにやりたいことをやらないと、迫力不足で、どうにも見る気がしない(今邦画が不調なわけでもないから、飽くまで私見ということだが)。

僕が一番感心したのが、例によって家族的なシーン。
お隣に住む大家さんの奥さんに、最初は娘共々ボロクソに言われているが、主人公が光州から帰れない時に娘の面倒を見てくれて、帰ってくると「大事にしてあげなよ!」と説教してくれるのがまた、その奥さんだったりするのだ。

韓国人の人情の濃さにはいつも驚かされる。83点

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