『アフリカの女王』 2023/3/25 By Leave a Comment 名作として名前が挙がるギリギリのラインにいる映画か。しかし、僕は大好きな作品で、今回も3~4度目の鑑賞であった。 なんといっても2代名優の演技を楽しむ映画だろう。なにせ、ハンフリー・ボガートとキャサリン・ヘップバーンの主演にして、彼らの代表作なのだから。 ボギーは『マルタの鷹』や『カサブランカ』でのハードボイルド調から180度のイメチェンに成功。うらびれた船乗り商売人を演じたが、これがイメージの破壊もあって完全にはまって、念願のアカデミー主演男優賞を獲得した。 粗野ながら瞳は優しく、レディーを大事にすることは怠らない。僕が女性なら、やはり途中どこかで参ってしまうだろうな(笑) そしてキャッシーである。この人こそが、映画史上前半最大の演技派(後半がメリル・ストリープ)と呼んで間違いないだろう。オスカーの女優賞をただ一人4度受賞。エントリーは12回に上る(メリルは20回。主演賞と助演賞が交互するのが彼女の魅力か)。 本作でも、物語前半のつっけんどんとした態度が、”ある事件”でガラッと変わるのだが、それがまさに”豹変”と呼ぶべきで鮮やかさで、大人女子ならキュンとしない人はいまい。 大人の妄想が爆発するこじんまりとしたストーリーもいい。なんて言うんだろう。人としての誇りがあって、思いやりがあって。ロマンティックそのものだ。 同じ船旅で遭難する『タイタニック』と比べた時、人間ドラマとして見るなら、月とスッポンとはこのこと。蹴散らして圧勝してしまっている。逆に、特撮は笑ってしまうくらいチャチで劇敗なのだが、そこはお愛嬌と言ったところだろう(笑) 86点
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