Takumi Blog

タクミな話

『サウスバウンド』等~書評

963827e1.jpg久々に恒例の書評を
今回の佳編はこの3つ
①奥田英朗著「サウスバウンド」・・・85点
いつも激誉めの奥田氏ですが、ホントこの人はすごい!
どの作品もおもしろく、そして作風が毎回全然違う。天才ですな
本作はとんでもスケールのお父さんを持った子供たちの苦労を描く(?)家族モノ。
出色キャラは一見普通なようで実はお父さんに負けないくらいぶっ飛んだところもあるお母さん。僕の理想の女性像かもしれない
豊悦主演で映画にもなりました。
②志水辰夫著「行きずりの街」・・・80点
僕の大好きなハードボイルドミステリーもの。
この志水辰夫という人は、北方謙三氏らとほぼ同時に世に出た人らしいですが、ハメット、チャンドラーの系譜につながる正統派と言えそうです。
男性の好む世界かとも思いますが、強く渋い男に憧れる方はぜひご一読をただ、あえて欠点を挙げるとすれば、このジャンルにありがちな主人公の「途中スーパーマン化」(映画の「ホワイトアウト」はその最悪例)が少々起こることかな?
③畑中恵著「しゃばけ」「ぬしさまへ」「ねこのばば」・・・85~75点
これは楽しいシリーズです。
江戸時代の商家を舞台に、主人公の若だんな一太郎と彼を取り巻く妖怪たちが事件を解決していく、とぼけた味わいのある妖怪ファンタジー・ミステリー御伽草子みたいな(?)内容
ただ、全一話式の第一巻を読み終えたときは「陰陽師以上だ!」と思ったのですが、短編集である後の2巻は少し落ちるかな?って感じ。その辺が点の開きの理由です。
以上3つ以外にもいいものがいっぱい
④阿佐田哲也著「麻雀放浪記」1~3巻・・・75点
ギャンブルものの傑作。
これも滅法おもしろいです。ただ、徐々に雀譜が多くなり、人間ドラマ性が少し薄れてくるのが難。女性も第1巻などはかなり楽しめるはず。
⑤奥田英朗著「空中ブランコ」・・・75点
「インザプール」の続編で直木賞受賞作。変てこな医者伊良部が今回も大活躍の医療コメディ。阿部寛主演のテレビドラマもなかなか良かった。
⑥団鬼六著「真剣師小池重明」・・・70点
将棋に命をかけたアウトローの一生を描ききった力作。
ただ、実在の人物のルポ形式小説なので仕方ないとは言え、ワンパターンに感じられて後半はちょっとダレた
⑦雫井脩介著「犯人に告ぐ」・・・70点
これまた豊悦主演で映画化されたばかり。
小説世界浅すぎもせず、キャラも悪くなく、充分に楽しめますが、猟奇性の高いこのテの小説には少々食傷気味でもあります
⑧藤沢修平著「風邪の果て」・・・70点
読後に心が澄み渡るような周平の世界は、「犯人に告ぐ」の様な現代ミステリーとは真逆のものとも言えるでしょう。
ただ、本作は、彼のものとしては「代表作」レベルには至らない感じ。
NHKのドラマを観て読んだのですが、これはドラマに軍配。
ドラマの女性2人(平淑恵と石田えり)は最高でした!
⑨京極夏彦「狂骨の夢」・・・65点
相変わらずキャラも小説世界も楽しい
しかし、筋立てはごちゃごちゃしてしまい・・・前作「魍魎の箱」よりも格段落ちた。
豊作の中にも気に入らないモノはもちろんあり!
⑨原宏一著「床下仙人」・・・50点
TUTAYAの本屋でえらく薦めていたので買いましたが、これは新味がない。
シュールなサラリーマンものなんて、もう飽き飽き。川柳くらいの短さで充分です。
途中放棄しました。
⑩北村薫著「空飛ぶ馬」・・・50点
     「スキップ」・・・40点
おばちゃんロマンティックな感じがたまらん。写真見る限り多分男性の作者なのだろうけど・・・
流行作家のひとりのようですが、この人はもういいです。
中では「空飛ぶ馬」は、旅行の電車の中なら読める感じですが・・・
両方途中放棄です。
今回はここまで。
良書にとっても恵まれた感じ
特に「サウスバウンド」はどなたにでもお薦めできる楽しさですよ!
では

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