パク・チャヌク監督作品『お嬢さん』 2022/10/15 By Leave a Comment 韓国のエグイ目映画(?)第4弾。 これまで観た全てがおもしろかったが、まあ”それ止まり”で。表現の過激さが魅力でありつつも、不必要なところでまで出てしまう・・・という、ある意味ちょっと紋切り型。 以前観た『オールド・ボーイ』ほどではないなぁ、と思っていたが、本作は掛け値なしによかった。しかし、それもそのはず、後から知ったのだが『オールド…』と同じパク・チャヌク監督の作品だったのだ! 日本で言えば『嫌われ松子の一生』中島哲也監督に近いだろう。オリジナル性の高い作品を、自分の頭の中だけで熟成させて撮る。多分、出演者は、出来上がってくるまで、映画の全貌はわからないままに演じることになるはず。 そう言えば両監督には、奇しくも『渇き』という同名の映画を撮っている縁もあるのだ(中島監督のほうは『渇き。』) レビューを見ると、映像美への称賛が多かった。言われてみればその通りで、特に少女二人の脱出場面は美しく印象的だが、基本そこに気持ちがいかなかったくらいストーリー展開にのめり込んだ。 とにかく奇妙な話である。原作はイギリス人の著作らしいが、時代・舞台ともに設定は変えている。ここであらすじを書いても「??」としかならないものなのでやめておこう。 2回も3回もどんでん返しがあって、そのすべてにコロッとやられてしまった、とだけ記しておく。 他の韓国映画同様、いやらしい。性描写はえぐく、回数も多いが、しかし本作ではそれがあまり気にならない。性描写こそが必要なパーツであると納得させられるからだろう。 『パラサイト』では、そこ必要?という感じだったが、それでは、量が少なくとも違和感を持ってしまう。 しかし、韓国の女優っていうのはすごいな。覚悟が違うって感じか。 パラサイトの美人のお母さんも、天然な役なのに濡れ場は超大胆だったし、本作でのキム・テリという女優も、そうだなぁ、宮崎あおいか大島優子みたいな爽やか若手なのに、濡れ場はもう全く遠慮がない。顔はさっぱり系で、ぜい肉なく地黒だから、どこかアスリートのように爽やかで、どんなに激しくても、常に清潔感が漂い、いやらしいと同時に美しかった。 ・・・と、濡れ場の話が長くなったが、それも本作の魅力の一部にすぎない。長尺なのに飽きさせない緊張感あふれる演出。どんでん返し連発のストーリ。そしてつねに幻想的な雰囲気が、エロティックながらも「これこそ映画だ」という説得力を持たせている。少なくとも僕にとっては、非常に素晴らしい作品だ。90点。
コメントを残す