この度の映画レビューの第1回目は、名作中の名作『ローマの休日』です。
小学1年生になった風太こと、長女の風亜を膝に乗せての鑑賞となりましたが、まず、このアニメばかり見ている娘に、「主人公はローマさんではない」「オードリーという人が演じているアン王女」「実写だけれど実在の人じゃない」とわからせるのが大変で・・・
なるほど、アニメ見ているとそうなるのか、と感心したり、ただ単にアホなのかと思ったり。
もちろん何度目かの鑑賞ですし、今回新たに感じたことというのも少ない。ここは振り切って、ラストについてだけ話をしましょう。
アン王女の記者会見が終わった後、ペックが一人で去っていくシーンが割と長い。前回見たときに違和感があってので、そこに注目していたけれど、やっぱりしっくりと来ないのです。
おもしろいのは社員のレビューでも意見が分かれたところ。
「このラストゆえに切ない」「余韻が残る」という人もいれば、「なにかっこつけてんだ!と思ってしまった」という意見(笑・つまり共感できていない)もあり・・・。
僕はこれ、成功していないと思う。例えば、一応かっこいいから撮っておいてものが、結局採用になった?とか、エンドロールぽく被せるつもりが、尺的にそうもいけなくなった?とか。そんな、作り手もしっくりこなかったままの場面でないかとすら思うのです。
その直前のシーンもそんなに良くなくて、王女がペックを含む最前列の人に握手して回るのだけれど、彼との間に大したドラマもない。「ん?」と思った後で、あーっ、カメラマンが写真をプレゼントするために必要な場面だったんだな、と気づくのだけれど、やっぱり消化不良になります。
つまり、「ローマです」と世紀の名言を発して二人のドラマが最高潮になった後、盛り上がらない場面が続いちゃうんですね。これどうなんだろう? 『卒業』みたいに、しっかり盛り下げることに積極的意味があったわけでなし、ちょっとした失敗じゃないかしら?
ペックが歩くシーンも、何考えているのか?と思うと、何も浮かばない。ん~、難しいけれど、あそこは多分、男は一旦自分のかっこよさに満足してしまうタイミングじゃないですかね。悲恋を悲しんだりするのはそのあとで。
だからピンと来ないのかな、と思う。つまり、あの表情を解釈するなら、自己陶酔に浸っているだけ、となり「なにかっこつけてんだよ!」と思えてしまう・・・なるほど
もちろん世紀の名作で、僕も大好きなのですが、今日はラストの違和感だけに絞って、お話しさせていただきました。
80点(何回目かなので、低くなってしまうのもある)
