菊地寛『真珠婦人』 2014/10/29 By Leave a Comment 京都に来れば読書ということで(勝手な都合です)、またぞろ本の話。 先日までに菊地寛著『真珠夫人』を読みました。 柳原白蓮がモデルということで興味を持ち。。 映画やドラマに色々なってきているようではあるが、そこは文豪の手になるもの。それなりにしっかりした作品だと思って構えていたのだが、飛んだ肩透かしで。 この人、新聞小説では完全に大衆向けのものを書いていたんだって。知らなかったよ。 漱石の『こころ』なんかも新聞連載だと思うけれど本格ものだし、まさかここまでカラッと通俗色に染めているとは思いもしなかった。 没落華族の別品お嬢さんが成金にはめられて嫁に取られる。嫉妬に怒り狂った彼氏がピストルを持って乗り込み、成金の娘を撃ってしまう。だんなは、知恵足らずの息子(撃たれた娘の弟)が殺してしまい、主人公は未亡人に。そして、男を憎みながらも、怪しい色気であまたの男どもをはべらせる真珠婦人が誕生してしまった・・・ みたいなばかばかしい話だ。まさに昼ドラ向き。 もうちょっと良くなるか、深まるか、と期待しながらズルズルと読んでしまった自分が悲しい。 いや、最低限それに足るだけのおもしろさはあったということかな。 55点 作品とは別に、大正三美人にも数えられる白蓮の人生はすさまじい。 名前程度しか知らなかったのを、これを機会に調べてみたのだが、よくもまあ、というくらい昼ドラで。 小池真理子さんが小説にしているのもはまり過ぎていて、いまいち食指が伸びない。 でも、韓流ドラマを地で行ったような彼女の人生に興味を持つ女性は多いはずだ。 韓流好きはもちろん、セレブ好きにもたまらん内容では!? まっ、ここの読者にはほとんどいねぇ系か(笑)
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